リアルに回帰する、消費者

なぜ、日本人はモノを買わないのか?【第2回】

若者ほど、リアル店舗を求めている?

ネットショッピングの利用が拡大する現代に、リアルな販売チャネルである店舗などもう流行らない、と思われる読者の方もいるかもしれない。
 確かに、ネットショッピングは今後も規模を拡大するものとみられる。しかし、だからといってリアル店舗の重要性が失われたわけでない。むしろ、インターネット上の情報が氾濫する最近の状況下で、「リアル回帰」とも取れる現象が起こっているのだ。

野村総合研究所が3年おきに行っている「生活者1万人アンケート調査」で、「ふだん、どのようなところから商品の情報を得ているか」ということを商品分野別に尋ねたところ、2009年→2012年にかけて、男性のAV機器・情報家電、女性の化粧品について、「お店(店頭・店員)」を情報源とする割合が、それぞれ27.3%→38.2%、35.6%→43.0%へと大きく高まっていることがわかった。

さらに、その傾向が顕著だったのが、男性では30代で30.9%→45.5%、女性は20代で40.5%→53.0%であり、ICTを積極的に活用している若年層だったことも興味深い。

情報疲労時代に重要性が増す「リアル店舗」

ソーシャルメディアをはじめとして、インターネット上で多くの情報を得ることが容易になっている今、なぜリアル店舗が重要な情報源として再認識されているのか。その背景には、前回の記事でもご紹介したように多くの消費者が「商品の情報が多すぎて困る」という情報疲労の状態に陥っていることが挙げられる。ITの利用が進み、インターネットを活用したオンラインでの購買が広がる一方で、インターネット上に情報が氾濫した結果、判断に迷う生活者が「店舗」に回帰し、店頭・店員から情報を得るという行動プロセスを取るようになっているのだ。

ただし、リアル店舗の重要性が再認識されたからといって、インターネット上の情報収集を消費者がやめるかというと、そうはならない。むしろインターネットとリアル店舗の使い分けが進み、それぞれに応じた消費者の情報収集が進むと考えられる。

2012年の「生活者1万人アンケート調査」では、「インターネットで商品を買う場合も、実物を店舗などで確認する」と回答した消費者が7割にのぼっており、それぞれの買い物の機会に応じて、ネットとリアルの使い分けが進んでいくとみられる。

次ページでは、今後のリアル店舗に求められるものとは?
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