日本は有望市場、M&Aに頼らずとも自力成長できる--J・ヴァンサン ダノングループ副会長

--日本市場は少子高齢化により消費者の「胃袋が縮小する」と言われており、国内企業は海外進出を本格化しています。日本市場のどこに魅力を感じていらっしゃるのでしょうか。

日本市場はまだ伸びます。高齢化は問題ではない。高齢者ほど自分の健康を気にするし、若くても健康には気を遣うでしょう。健康に訴求する食品を持つわがグループにとって、日本市場の傾向はむしろプラスです。M&Aに頼らなくても自力成長が十分可能です。

たとえば、日本ではミネラルウォーター市場が伸びています。われわれは「アルカリイオン水」「ボルヴィック」「エビアン」を販売しています。日本の国民1人当たりのミネラルウォーター消費量はまだ高くない。伸びしろは十分にあります。5年前に発売したヨーグルト「ダノンBIO」はシェア5%にまで成長しました。可能性を持つ製品を提供すれば、流通にも歓迎されます。加えて、良きパートナーとアライアンスを結ぶことも重要です。エビアンは伊藤園、アルカリイオン水とボルヴィックはキリンと提携して販売しています。

--M&Aに頼らなくても、とのことですが、今後日本でM&Aの可能性はあるのでしょうか。

この3~4年間、当グループは中規模な買収を繰り返してきました。今後は、まだ参入していない国での小規模買収が考えられます。すでに参入している国では、ダノングループの売り上げを拡大させるためだけの買収はしません。今ある4つの製品群でニッチ市場を狙っていきたい。ニッチを狙うことで他製品との差別化を図ります。

市場としての日本には興味はあります。一段成長できるような、チャンスのある市場が出てくればチャレンジしたいと思っていいます。ですが、その場合は競合他社とのアライアンス、つまりキリンや伊藤園との関係のようなものを通じて達成したい。あえて買収する必要はないと考えています。

ジャック・ヴァンサン(Jacques Vincent)
1946年フランス生まれ。70年ダノングループ入社。96年ダノングループ最高執行責任者。98年ダノングループ副会長兼最高執行責任者。2007年ヤクルト本社非常勤取締役。08年ダノングループ副会長兼会長相談役。

(聞き手 佐藤未来記者 =東洋経済オンライン)

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