見出しは"Roark gets it started, and U.S. ends up with its first trip to final"(ローク投手が先発し、アメリカが初の決勝戦進出)とある。そうか、アメリカがWBC決勝戦に進出するのは初めてであったのか(22日に初優勝)。とはいえ、全体に関心は薄そう。この日、ワシントン市内で出会った多くの人は、その大半が日本人であったにもかかわらず、誰からも「昨日は惜しかったですねえ」という発言がなかった。紙媒体の新聞も、ベースボールも、時代から取り残されつつあるのだろうか。
「オバマケア代替法案」が「ライアンケア」と呼ばれる理由
さて、そんなことよりも当地における大問題は、共和党によるオバマケア代替法案が下院で可決されるかどうか、である。
23日夜に投票にかけられる予定であり、本稿を執筆しはじめた時点では票読みは微妙。なにしろ、共和党が下院435議席中の多数を占めているとはいえ、造反者が22人を超えると不成立となってしまう。
もちろん民主党議員は一致団結して反対に回る。トランプ大統領とライアン下院議長は、アメとムチの両方を駆使して党内説得に努めているが、その成果ははかばかしくない。
オバマケアこと医療保険改革は、無保険者2000万人を救済するものとして、オバマ大統領の内政上、最大の功績とされている。ところが「割り勘負け」を嫌う富裕層からはそっぽを向かれ、しかもコストが年々増大することで評判が悪かった。
これを廃止することは共和党の悲願であったが、かといって与党になった途端に廃止して、「あとは野となれ山となれ」と無保険者を放り出すわけにもいかない。特にトランプ政権としては、「忘れられた人々を守る」という看板が泣くというものだ。
そこでライアン下院議長が、急きょオバマケアの代替案を作成した。プロっぽい手口でコストを削減しており、同法案を「ライアンケア」と呼ぶ向きもある。
ただし「とことん小さな政府」を標榜するフリーダム議連と呼ばれる共和党内の右派グループは、「これではオバマケアLiteに過ぎないではないか」とへそを曲げている。もともとティーパーティの流れをくむ人たちだけに、その姿勢はなかなかに「かたくな」なのである。
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