日産新型ノート、「充電不要EV」がウケた理由 新駆動方式「e-POWER」をセレナにも搭載へ
「e-POWERはセールストークで引きつけやすく売りやすい」と同店の白井正明マネージャーは話す。高速道路での合流や追い越しでの加速がよいことや、下り坂や雪道ではフットブレーキを使う頻度が下がることなど、安全性や使い勝手を強調すると顧客の反応がよいという。
もちろん、試乗した人すべてが購入に動くわけではない。ただ「モーターで走る車はどんなふうに動くかということを知ってもらうだけでも、将来の日産の電動車購入につながる資産になる」(日産の南チーフマーケティングマネージャー)。
ミニバン「セレナ」もe-POWER搭載へ
足元の人気の波に乗るべく、日産はe-POWERの他車種への搭載も始めようとしている。同社と取引のある複数の自動車部品メーカーや日産系販売会社によると、売れ行きが好調なミニバン「セレナ」にもe-POWERを搭載し、2017年度中に発売する準備を進めているもようだ。
「EVの世界リーダー」を自負する日産はこれまでに世界で約29万台のEVを販売してきた。主力車「リーフ」は発売から6年が経過。2015年11月には満充電時の航続距離を旧型の200キロから280キロへ引き上げる商品改良を行った。2016年の国内販売は約1万5000台と前年から約6割増えたものの、本格的な普及につながっているとはいいがたい。
この数年でEVを取り巻く環境は大きく変わった。米新興EVメーカーのテスラは3万5000ドル~の普及価格帯で、航続距離345キロの新型「モデル3」の生産を2017年半ばにも開始する。初期の受注は37万台を超え、自動車業界に衝撃を与えたことは記憶に新しい。米ゼネラル・モーターズ(GM)は航続距離380キロのEV「ボルト」を米国で発売。補助金を受けると約3万ドルで購入できる。航続距離の長いEVが手頃な価格で買える時代は少しずつ近づいている。
日産もリーフの刷新を含め、EVの開発を加速している。今後投入する新型EVに消費者を振り向かせることができるか、電動車への理解を深めてもらううえでも、ノートe-POWERが担う責任は大きい。
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