日本にいながら「米国株投資」で儲ける方法 3人の日本人投資家が経験談を語る

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「米国の会社が何をやっているのか、日本に住んでいて理解するのは難しい。米国人は生活実感が伴うから投資できるのであって、日本人が勝てるわけがない。それよりETFのほうがいい」

現在は代表的な株価指数であるS&P500に連動する「SPDR S&P500 ETF(日本の証券コードに当たるティッカーシンボルはSPY)」やNASDAQ100指数に連動する「パワーシェアーズQQQ トラスト、シリーズ1(同QQQ)」などを購入し、基本的にインデックス投資をしている。一度買ったら基本的に売却はせず、保有資産のバランスを見ながら買い増す。

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為替の変動リスクに関しては、特段の対策はしていないという。

「円、ドル、ユーロについて、それぞれ適当な額を持っておけばいいと考えている。今はドルをいちばん多く保有している。円だけ持っているほうが危ないのではないか」

投資戦略は世界への分散が基本戦略だ。乙川さんはリーマンショックで資産が半分になる苦境を経験した。そこで2009年10月に理想のポートフォリオを作成。全資産に占める株式の割合は50%とし、内訳は米国15%、欧州10%、日本10%、新興国15%と定め、その基準を意識しながら運用している。

個別株に投資するなら多国籍企業に限る

米国への投資で注意しなければならない点について、乙川さんは言う。

「英語は読めないとダメ。たとえば、証券会社などから重要書類が送られてくるが、それが重要だと認識できないとまずい。メールソフトによって、証券会社の連絡が迷惑メールに分類されていることもある」

海外の証券会社を使って取引した際に、発注ソフトのトラブルで同じ銘柄を2回買ったことになり、それを取り消すために証券会社と電話でやり取りするのが非常に大変だったことがある。

順調に資産を増やしてきた乙川さんだが、現在は投資を抑えている。

「定年後は年金があるし、自分たちが老後に必要とする資産はある程度確保できた。今後は子どもや孫のためにどう使うかを考えている」

個人投資家のwww9945さんは個別株を積極的に売買する。現在保有しているのは、石油メジャーのシェブロンやヘルスケアのジョンソン・エンド・ジョンソンのほか、アルトリアグループ、フィリップモリスといったたばこ関連企業も多い。

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