韓国30代男女に「おひとり様」が激増する理由 「1人焼き肉」店やコンビニ弁当など商機拡大

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テーブルには、小さなコンロがあり、前のテーブルを仕切る棚にはタイマーが2つかけられていた。1つはコンロの火加減を時間を計って調整するために、もうひとつは食べ頃の焼き時間を教えるものだそうだ。目線の少し上に設置されたパソコンの画面にはさまざまな動画が流れている。

テレビは置かないのかと聞くと、「そういう要望もありますが、いろいろな音が混ざって店内が騒々しくなります。そうした雰囲気を求めている人はいないと思いますし、今のところ導入する予定はありません。ただ、お客さんのスマートフォンに保管されている動画が見られるような装置をつけようと考えています」。

居心地が良さそうだと思う人もいれば、こうして見てみると1人で食事はさびしそうだと感じる人も(筆者撮影)

挑戦的なコンセプトの店を出したハンさんだが、軌道に乗れば支店も出したいと、ホンバプ族からの支持に手応えを感じているようだ。

ホンバプ族の登場で大きく変わったのは、コンビ二弁当市場だ。韓国ではコンビニ弁当の売り上げがここ2年でおよそ70%も急増している。

韓国コンビニ弁当界を牽引する「GS25」

コンビニ弁当の人気を牽引したのは、業界最大手の「GS25」(GS25リテイリング)だ。GS25は、韓国コンビニエンスストア御三家のトップで、弁当では特に高い競争力を誇っている。

2010年にお母さん役で定評のあるベテラン女優、キム・ヘジャ氏をブランドのイメージキャラクターにして、コンビニ弁当を売り出したところヒットし、年々、売り上げを伸ばしてきたが、昨年も勢いは衰えず、売り上げは前年比で76.7%増と「驚くほど伸びた」と広報部のキム・シデ代理は力を込める。「開店当初からお弁当やサンドイッチなどを売っていましたが、味と品質を高めたことでSNSなどで話題になる機会が多くなり、顧客がぐんと増えました」(キム代理)。

GS25では、2013年に有名ホテルのシェフを迎え入れ、食品研究所を設立し、味と質にこだわり、「コスパ」を高める努力も続けてきたという。

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