「アクア」と「ヴィッツ」は何が似て非なるのか トヨタが小型ハイブリッド車を並べる理由

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今回のマイナーチェンジでも、新構造のショックアブソーバー採用に加え、スポット溶接増し打ちなどによるボディ剛性強化、インストルメントパネル周辺補強材の板厚アップにより、優れた操縦安定性と乗り心地を両立したとされる。走りを重視する姿勢をさらに明確にしているのだ。

ヤリスでWRCに参戦

今年からヤリスでWRCに参戦

こうした方向付けは、トヨタが今年からヤリスで世界ラリー選手権(WRC)に参戦していることと無関係ではないはずだ。トヨタは1970年代からWRCに参戦し、1990年代にはセリカでチャンピオンを獲得したこともある。ヤリスはその系譜を受け継いで今年投入。2戦目のラリー・スウェーデンで早くも初優勝を果たすなど、ポテンシャルの高さを発揮している。

WRCは世界格式のイベントではあるものの、全13戦中10戦は欧州開催であり、とりわけ欧州での人気が高いモータースポーツだ。数え切れないほどの多くの車種を持つトヨタが、その中からヤリスをWRCの車両に抜擢したのは、欧州での主力車種として育てていきたいという気持ちの表れではないかと見ている。

さらに今月開催されるジュネーブモーターショーで、トヨタはスポーツモデル「ヤリスGRMN」を発表した。スーパーチャージャー付き1.8リットルエンジンは210馬力を発生するという。WRC参戦車両のレプリカモデルという位置づけになるだろう。このスポーツモデルが日本でも販売されれば、ヴィッツとアクアの差別化はより明確になってきそうだ。

森口 将之 モビリティジャーナリスト

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もりぐち まさゆき / Masayuki Moriguchi

1962年生まれ。モビリティジャーナリスト。移動や都市という視点から自動車や公共交通を取材。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。著書に『富山から拡がる交通革命』(交通新聞社新書)。

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