トランプ政権が実は何もできていないワケ

米議会もまともに機能していない

また、医療制度をめぐっては、オバマ前大統領が創設したいわゆる「オバマケア」の即時廃止を公約に掲げているが、トランプ大統領は先日、「(廃止は)非常に複雑」だとする認識を示した。現在、下院共和党議員はオバマケアの代替制度の草案にとりかかっているが、医療制度に政府がどれだけ関与すべきか、という点について、党内で大きく意見が分かれている。報道によると、ポール・ライアン下院議長が指名した共和党下院議員と、これを補佐する議員の大部分は、オバマケア廃止によって予想される何百万ドルもの「損害」をどう埋め合わせるかに頭を悩ませている。

「共和党がオバマケアを廃止するのは難しい」と、前下院議長のジョン・ベイナー議員は述べる。「ささいなところをいくつか修正して、新しい法律にするのではないか」。しかし、これによって、共和党の分裂が加速することは避けられない。

予算案で共和党内の分裂が加速?

今年10月に始まる次期会計年度についても、そろそろ予算概要を決める時期にさしかかっているが、トランプ大統領は議会に対して最低限の予算概略しか提供していない。防衛費を前年比9.3%拡大する計画を掲げているが、これをまかなうために、トランプ大統領の予算専門家は、国務省および対外援助予算の大幅な削減を示唆している。

予算の詳細な中身は、トランプ大統領の税制改革計画も待たねばならず、これに伴ってほかの多くのことも「宙ぶらりん」の状態となっている。新たな税制改革は、より企業を「優遇」することによって、より多くの投資を促すことを狙うと見られている。しかし、現在もまれている税制改革案は、年金や高齢者向けの医療に関する歳出改革は行わないというトランプ大統領の案と、富裕層への新たな増税は行わないというポール・ライアン下院議員ら複数の共和党議員らが掲げる案とは一致しない。

一方、連邦捜査局(FBI)と上院情報委員会は、引き続き2016年の大統領選へのロシアによる妨害について捜査を行っている。ロシアの諜報員とトランプの選挙運動につながりのある当局者との間で共謀があった可能性がある。

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