103系電車は今も人命救助を陰で支えている

見慣れた通勤電車が救助訓練の教材に

エアージャッキを使っての救助訓練の様子(筆者撮影)

「救助にあたっては、車両の台車部分をジャッキで上げて隙間をつくり、要救助者を引っ張り出します。通常は救助工作車に搭載されたエアージャッキを使用しますが、作業スペースが確保できなかったり、エアージャッキが使用できない場合に備えて、油圧ジャッキなどの手順も習得します」と、訓練の責任者を務める船間高広教官は話す。機材の使い方に加えて、台車のどこにジャッキをかければ効果的か、周囲のどんな点に注意しながら作業するかを学んでいく。

現場では、JR西日本の社員も指導にあたっていた。「台車には、揺れを軽減するためのバネがあります。そこにジャッキを設置しても台車は上がらない。車両の形式によってジャッキを据える位置が変わるので、鉄道会社の方に教えてもらっています」(船間教官)。

そのほか、車体を通る高圧線の位置なども把握。実習中は「パンタグラフ下降よし!」「まだ電流が残っているかもしれないぞ、気をつけろ!」「車体上げるぞ―!」と、常に声を掛けあいながら手際よく作業が進められていた。

座席を滑り台にしての訓練も

客室の座席を使って乗客を降ろす訓練。実際に体験し、適切な補助の仕方を確認する(筆者撮影)

車両中央部では、ロングシートの座席が取り外され、乗降扉の下に立てかけられていた。「駅間で停車した車両から、このように座席を滑り台代わりにして、乗客を降ろすこともあります。実際に自分たちがやってみることで、救助の際にどんな点に注意すべきかが分かります」(船間教官)

こういった実習は座席が汚れてしまうため、鉄道会社の車庫に出向いての訓練ではなかなかできない。学校内に鉄道車両があるからこそできるのだ。

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