「瑞風」に旧「トワイライト」の面影はあるのか シングルルームは「あの個室」にそっくり?

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過去の遺産に捕らわれすぎず、伝統をどこかで意識しながら新しいものを作りあげた結果、思わず「これはロイヤルだ」とつぶやいてしまうような個室ができあがったということだ。これは、同じ豪華寝台列車でも、ほぼゼロから新しいものを作り上げた「ななつ星in九州」や「TRAIN SUITE 四季島」とは異なる文化だ。JR西日本の個性が発揮されたと言えるだろう。

ロイヤルシングルを1泊2日でシングルユースする場合の料金は33万円から。極めて高価であることには違いないが、一部の層以外全く手の届かない料金ではない。全16室のうち2室しかないので、ロイヤルツイン以上の競争率になることは必至だ。コツコツとお金をためて、根気よく応募しよう。

広さを感じる「ロイヤルツイン」

シングル以外の個室も、旧トワイライトと簡単に比較しながら見ていこう。

「ロイヤルツイン」。絨毯が通路と一体になっており、日中は扉を開けて左右の車窓を楽しめる(筆者撮影)

スタンダードクラスとなる「ロイヤルツイン」は、全13室。部屋の広さは約10平方メートル(ユニバーサル対応室は約12平方メートル)だ。これは、旧トワイライトの最上クラスである「スイート展望室タイプ」(約14平方メートル)よりも小ぶりで、「スイート中間車タイプ」とほぼ同じ。トイレ・シャワールームに十分なスペースを取っているため、客室部分はむしろスイート中間車タイプよりも小さい。

だが、実際に部屋に入ってみると「広い」と感じる。床面が広く取られているからだ。旧スイートは、固定式のツインベッドとソファセットを備え、高級ホテルと同じ設備を配置していた。限られたスペースにギュッと詰め込んだ印象で、その巧みさがひとつの魅力だったものだ。一方「ロイヤルツイン」は新設計の折りたたみ式ベッドなどにより、室内を一層広々と使えるようになった。

個室の扉が大型の引き戸で、床の絨毯が通路とつながっているのも興味深い。戸を開けておけば、廊下も含めて広い空間を使うことができ、左右双方の車窓風景を同時に楽しめる。通常の列車であれば、個室の扉を開けっ放しにするのは抵抗があるが、ごく限られた人々が乗車し廊下の往来が少ない「瑞風」なら、それも可能ということだろう。

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