チョコの新潮流「ビーントゥバー」とは何か 日本でも新しい歴史が始まっている

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クラフト的センスの高いパッケージ

「ビーントゥバー」は、2000年代初頭に米国で生まれた。米国では時代とともにチョコレートが香料や植物性油脂などを加えた「甘いお菓子」となり、カカオ豆本来の風味を失っていった。

そのアンチテーゼでもあり、チョコレートの原料であるカカオ豆への素材回帰ともいわれるビーントゥバーのムーブメント。大手メーカーではなく、これまでまったくチョコレートや食品に縁がなかった個人が、ガレージや自宅の小さな工房で作り始めたケースが多く、メイン素材はカカオ豆と少量のシュガーのみと至ってシンプル。小規模生産が多く、パッケージの包み紙までハンドメードであることも多い。

日本でも人気に火がついた

最新のカカオビジネスをディスカッション(クラフトチョコレートフェスティバル)© Yuki Ohara

フレンドリーでクール。ヨーロッパの高級チョコレートとも、マスマーケットのチョコレートとも違う、時代の空気をまとったスタイルは、瞬く間に米国から世界中に広がった。日本でも2010年代前半から増え、現在は全国各地に60以上の専門店がある。

2017年1月28日、29日の2日間、東京・清澄白河で「Craft Chocolate Festival(クラフトチョコレートフェスティバル)」が開催された。主催は2016年にサンフランシスコから蔵前に上陸した「ダンデライオン・チョコレート」で、約1000人と来場者は予想を上回った。

クラフトチョコレートマーケットで未体験のビーントゥバーを購入するファン

テーマは「Bean to Barの『今』を感じる2日間」で、1日目は「Bean to Barとカカオビジネス」「日本のクラフトチョコレートマーケット」をテーマに、世界各国のカカオ・チョコレート関係者による活発なディスカッションが行われた。

2日目の「Craft Chocolate Market(クラフトチョコレートマーケット)」では、ドバイ、スウェーデンなど珍しい国のビーントゥバーをはじめ国内外20以上の人気店のチョコレートが販売され、大勢のファンが詰めかけた。

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