「進撃の女帝」小池氏が「総理」目指すシナリオ 「ドン退治」に続く「慎太郎狩り」で急浮上

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2月5日の千代田区長選挙では小池都知事が推した現職の石川雅己氏が当選した。「都議会のドン」が擁立した候補は敗れ、ドン退治に成功した(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)

小池百合子東京都知事の勢いが止まらない。人気漫画になぞらえれば「進撃の女帝」だ。「都議会のドン」こと内田茂氏と小池氏との代理戦争といわれた千代田区長選での大勝を受け、7月2日の都議選には自らが立ち上げた「都民ファーストの会」(小池新党)の公認候補を70人程度擁立し、都議会単独過半数(64議席)を狙う構えだ。自民党との連係を解消して小池氏に協力姿勢を示す公明党も含め、自民党を除く都議会各党は小池旋風に吹き飛ばされないよう"すり寄り作戦"を展開している。

そうした中、永田町ではポスト安倍での「小池待望論」も浮上し、週刊誌などが「小池総理」特集を相次いで掲載している。「首都制圧の次は初の女性総理」(自民幹部)というわけで、政治のプロの間でも「可能性あり」との見方が広がる。

小池氏は、「抵抗勢力をたたき潰す」と叫んで長期政権を実現した小泉純一郎元首相の手法を受け継いでいる。知事選で「ブラックボックス」と自民党都議団と都庁の"談合体質"を批判し、自らの「東京大改革」をアピールした。特に「都議会のドン」と呼ばれた内田茂自民党都連幹事長(当時)を最大の標的とし、内田氏とタッグを組む石原伸晃都連会長(同)ら東京選出の自民党議員を敵に回すことで有権者の心をつかんで圧勝。石原、内田両氏ら都連幹部を役職辞任に追い込んだ。

「豊洲の汚染」で戦意喪失した自民都議団

都議会過半数に迫る最大会派の自民党は、反転攻勢の機会をうかがってきたが、小池氏が延期を決断した築地市場移転問題において、豊洲新市場の「重大な汚染」が明らかになった段階で戦意を喪失した。

小池氏は東京都議選に向けて「都民ファーストの会」を立ち上げ、「小池与党」による都議会過半数を目標に候補者選考に着手。試金石となった2月5日の千代田区長選で現職を支援して、内田氏らが擁立した新人にトリプルスコア以上の大差で圧勝したことで、都議選の目標を「公認候補での単独過半数獲得」にまで格上げした。追い詰められた内田氏は2月25日に都議選不出馬を表明した。「高齢による体力不安」が理由だが、小池氏は「都議会にも新しい波が押し寄せている」と"ドン退治"に胸を張った。

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