「進撃の女帝」小池氏が「総理」目指すシナリオ 「ドン退治」に続く「慎太郎狩り」で急浮上
永田町でささやかれるシナリオは(1)小池氏が2020年7月に予定される次期都知事選で再選を果たし、東京五輪の主催者を務める、(2)五輪成功を勲章に2021年9月の総裁選前の衆院解散・総選挙に合わせて都知事を勇退し、国政に復帰する、(3)自民党内の小池支持勢力を結集して総裁選を勝ち抜く――というものだ。
ただ、政治的にみるとシナリオ実現にはハードルも多い。
まず、総裁選出馬には自民党議員であることが前提となる。昨年の都知事選以来、小池氏は「自民党に進退伺を出している」と繰り返すが、自民党の二階幹事長も「そんなことには取り合わない」とどちらもあいまいな対応だ。しかし、都議選を考えれば「総大将の知事が自民党籍を残したままなら、自民攻撃は理屈に合わない」(自民幹部)ことにもなりかねない。といって、自民党を離党すれば国政復帰のための総選挙での公認の可否は自民党執行部の判断次第となる。
次のハードルはそれまで「小池劇場」で国民の期待をつなぎ留められるのか、だ。豊洲移転だけでなく待機児童問題など都政の課題は山積している。「ポピュリズムが原動力だから一つでも失政があれば一気に賞味期限切れ」(自民長老)となる可能性もある。
最大のハードルは「小池嫌い」の払拭
最大のハードルは自民党内で小池待望論が沸き起こるかどうか、だ。「政界渡り鳥」と揶揄された小池氏だけに自民党幹部や中堅議員には「小池嫌い」が少なくない。前々回の総裁選で、地方票で圧倒した石破氏が議員投票で安倍氏(首相)に逆転された際は「石破嫌いの議員がこぞって安倍氏に投票した結果」(自民幹部)ともいわれた。今後、小池氏が自民党内に大勢のシンパを集めることができるのかどうかも疑問視する向きが多い。ただ、小池氏はポスト安倍を狙う石破氏や野田聖子氏とは親交がある。このため、一部にはポスト安倍で石破氏が譲り「小池総理・石破官房長官」という意外な案もささやかれている。
69歳で米大統領選に挑んで敗れたヒラリー元国務長官は「ガラスの天井」の厚さを嘆いた。小池氏も5年後は同じ69歳になる。はたしてシナリオどおりに「初の女性総理」への道をひらけるのかどうか。急浮上した「国有地の格安払い下げ疑惑」に"1強首相"が揺さぶられていることもあって、人気では小池氏と双璧でポスト安倍にも名前が上がる小泉進次郎氏は「東京五輪後の日本は大きく変わるはず。5年後のことなど誰もわからない」と笑うばかりだが。
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