花粉症に悩む人に教えたい最新の対策・治療

アレルゲンのシャットアウトにあの手この手

耳鼻科など医療機関で処方されるアレルギー性鼻炎薬も進化している。アレルギー反応を抑える抗ヒスタミン薬は、鎮静作用のため眠くなるのが欠点。ただ、最近の内服薬の主流は「第2世代抗ヒスタミン薬」といって、第1世代に比べて鎮静作用がほとんどないのが特徴だ。

今年もこの季節がやってきました(写真:プラナ / PIXTA)

オノンやアレロックなど、ジェネリック品(後発医薬品)があるものも多く手頃な価格で手に入るうえ、テレビCMなどでおなじみのアレグラ、アレジオンなどドラッグストアでも買うことができる「スイッチOTC」が発売されているものもある。

自動車の運転などの操作をしないように注意書きがある薬もあるが、眠気の注意喚起がまったくない薬も出てきている。昨年11月に発売されたデザレックス、ビラノアの2種もそうで、薬価も既存品より割安になっている。かかりつけ医に毎年「去年と同じものを」といって何年間も同じ薬を処方されていて、眠気が強いと感じている人は、「もっと眠気の少ない薬はありませんか」と相談してみる価値があるだろう。

飛散のピークを過ぎたら「舌下免疫療法」がブレークか

こうした花粉症対策やアレルギー性鼻炎の治療は、症状を抑え込むだけの「対症療法」で、着用や服用をしなければ症状がぶり返すいたちごっこの側面がある。ただ最近、体質を改善してアレルギー反応を起こしにくい体に変えていく治療法が広まりつつある。「舌下免疫療法」といって、花粉症ではスギ花粉に対するものが先行している。

治療法は、毎日1回、舌の下(裏側)にスギ花粉エキスを含む液剤を垂らし、そのまま2分間置いてから飲み込むというもの。花粉のアレルゲンに体を慣らすことで、過剰なアレルギー反応が起きないように体質を改善していくのだ。千葉大学、日本医科大学など多施設の共同調査では、開始1シーズン目で8割の人が治療効果を感じているという。通年性アレルギー性鼻炎の主因であるダニに対しても錠剤が販売されている。

『週刊東洋経済』の会員制サービス「週刊東洋経済プラス」。「東洋経済ID」でログインすると最新号の一部記事を無料で読めます。さらにプラス会員(有料)にご登録いただくと、すべての記事をPC・スマホ・タブレット(Web)で閲覧でき、『週刊東洋経済』が毎号お手元に届きます

2014年に公的健康保険の適用が始まり、今年が3シーズン目となる。2016年末までに6万2000人の患者が処方を受けている。ただ、スギ花粉以外の花粉にもアレルギーがある患者は効果が出にくい。また、効果が定着するまでに2~3年は続ける必要がある。すべての患者に効果があるとは限らず、それが事前にわからないのも悩ましい。それでも、根治の可能性があることが最大のメリットだ。

花粉が飛散している今の時期は副作用が強まるおそれもあるため治療を開始できないが、スギ花粉がアレルギーの原因かどうか病院で診断してもらうことはできる。そしてスギの花粉症シーズンが終わったら、治療を始めることになる(舌下免疫療法を受けられる医療機関は、液剤を発売した鳥居薬品の専用サイトで検索できる)。

国もアレルギー疾患への対策に本腰を入れている。2015年にアレルギー疾患対策基本法が施行され、正しい治療法についての情報発信に力を入れていく方針だ。怪しい民間療法など、ちまたには玉石混淆の情報があふれている。正しい知識を身につけて、花粉シーズンを快適に乗り切ろう。
 

ビジネスの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 非学歴エリートの熱血キャリア相談
  • 日本野球の今そこにある危機
  • 中学受験のリアル
  • Amazon週間ビジネス・経済書ランキング
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
-

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

ログインしてコメントを書く(400文字以内)
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
小野薬品vs.本庶京大教授<br>大型新薬めぐり深まる溝

本庶佑教授と小野薬品工業がタッグを組んで生み出したがん免疫治療薬「オプジーボ」。ところが、本庶氏が特許の正当な対価として150億円の支払いを求め、小野薬品工業を提訴する方針を固めた。両者の関係はなぜこじれてしまったのか。

  • 新刊
  • ランキング