JR東海vs.近鉄、“式年遷宮”で激戦 名古屋-伊勢、JR東海が臨時急行導入

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一方、JR東海は近鉄のような車両の豪華さではなく、コストパフォーマンスに重点を置いている。「みえ」は快速列車なので特急料金は不要。それでいて、名古屋―伊勢市間の所要時間は近鉄特急と大差ない。安いほうがいいという人にとっては「みえ」のほうが魅力的に映るだろう。

「いせ」はワイドビューで快適

さて、今回運行する臨時急行「いせ」は、特急「ワイドビュー南紀」などで使われているキハ85系で運行する。“ワイドビュー”という名前のとおり、窓が大きく外の景色を見やすい。座席もゆったりとしている。「みえ」と停車駅があまり変わらないにもかかわらず、急行料金を徴収するのは、「みえ」よりも快適な車両に乗れるからという理由だろう。

JR九州の豪華寝台列車「ななつ星」に刺激されたかのように、JR東日本やJR西日本も豪華寝台列車で各地の観光名所を回る計画を発表した。近年、豪華観光列車がJR・私鉄各社で相次いで導入されている。近鉄は「しまかぜ」だけでなく、10月には伊勢市―賢島間にも新たな観光列車を導入するという。こうした流れに目を背けてきたのがJR東海である。

今回の臨時急行導入を契機に、JR東海でも豪華観光列車をぜひ新造してほしいところだ。中部エリアには観光地が豊富にある。東海道新幹線、あるいは将来のリニア中央新幹線と新たな観光列車を組み合わせれば、JR東海の営業基盤はますます磐石なものになるに違いない。

大坂 直樹 東洋経済 記者

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おおさか なおき / Naoki Osaka

1963年函館生まれ埼玉育ち。早稲田大学政治経済学部政治学科卒。生命保険会社の国際部やブリュッセル駐在の後、2000年東洋経済新報社入社。週刊東洋経済副編集長、会社四季報副編集長を経て東洋経済オンライン「鉄道最前線」を立ち上げる。製造業から小売業まで幅広い取材経験を基に現在は鉄道業界の記事を積極的に執筆。JR全線完乗。日本証券アナリスト協会検定会員。国際公認投資アナリスト。東京五輪・パラにボランティア参加。プレスチームの一員として国内外の報道対応に奔走したのは貴重な経験。

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