大塚家具、過去最悪の赤字で迎える「正念場」 路線転換が消費者に「低価格」の印象を与えた

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今後、同社はどのように回復を目指すのか。2016年9月から本格的に開始したのが、リユース事業だ。

同社で買った商品だけでなく、他社で購入したものであっても、買い取り・下取りをして、職人がクリーニング・補修を行ったうえで再販する。アウトレットとリユース品販売のための新型店舗も開業した。家具の買い替えを促進して、新規の家具購入につなげる狙いもある。

神奈川県住宅供給公社と連携し、老人ホーム入居者に家具のリユース提案を行う。写真左が大塚久美子社長(記者撮影)

もう一つの核が、提携販売の拡大だ。勝久氏の経営体制の下で新規受注を取りやめ、減少傾向が続いてきた住宅事業者などとの提携販売を再強化し、業者を通した家具の販売を拡大させる。2017年度は提携販売で前期より7割近い増加を目指す。

「大塚家具を永続させる責任がある」

ただ一度傷ついたブランドイメージを取り戻すのは簡単ではない。再生までは茨の道が続きそうだ。

会見で自身の経営責任を問われた久美子社長は「大塚家具を永続させる責任がある。経営の混乱があったが、中長期のビジョンに賛同していただいて、今の体制がある。1年うまくいかなかっただけでビジネスモデルを変えることはない」と答えた。

同社は今回の大赤字で2017年度を最終年としていた中期経営計画を、目標の達成が困難になったことでいったん取り下げ、3月上旬をメドに新たな中期ビジョンを公表する予定だ。

東京・銀座の路面店。入店客数は回復傾向にあるが・・(記者撮影)

2016年はじめ、父・勝久氏は同社の筆頭株主であったが、同年5月末に持ち株比率が5%まで低下。そして今回の決算発表で、すべての持ち株を売却していたことが確認された。

大塚家具は約46億円だった営業赤字から、2017年度は一気に営業利益5億円までV字回復させる計画を立てる。

父娘の対立の際、久美子社長を支持した株主や社員も、業績低迷が続けば、態度を見直さざるを得なくなる。久美子社長は文字どおり正念場を迎えている。

菊地 悠人 東洋経済 記者

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きくち ゆうと / Yuto Kikuchi

早稲田大学卒業後、東洋経済新報社に入社。流通・小売業界の担当記者を経て2017年10月から東洋経済オンライン編集部。2020年7月よりIT・ゲーム業界の担当記者に。

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