三越伊勢丹HD、ニッコウトラベルにTOB 物販だけでは限界、「コト消費」対応強化

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 2月10日、三越伊勢丹ホールディングス は、ニッコウトラベル を株式公開買い付け(TOB)で完全子会社化すると発表した。「コト消費」に対応するため、シニア向けを中心にした旅行業を強化する。写真は都内で2007年7月撮影(2017年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 10日 ロイター] - 三越伊勢丹ホールディングス <3099.T>は10日、ニッコウトラベル <9373.T>を株式公開買い付け(TOB)で完全子会社化すると発表した。「コト消費」に対応するため、シニア向けを中心にした旅行業を強化する。

TOB期間は2月13日から3月23日。TOB価格は1株390円。これは、2月9日までの直近1カ月の終値単純平均301円に対して29.57%のプレミアムが付いている。株式取得金額は36億円。

ニッコウトラベルの創業者である久野木和宏氏など計43.33%の株式はTOBに応募することで合意している。

ニッコウトラベルは、60歳以上の富裕層を主要顧客としており、百貨店業との顧客層の親和性が高い。三越伊勢丹も自社で旅行業を手掛けており、ニッコウトラベルを買収することで強化を図る。

三越伊勢丹の旅行業は約60億円、ニッコウトラベルは約40億円の規模。伊倉秀彦・経営戦略本部部長は会見で、同グループの旅行事業について「将来的に1.5倍や2倍という規模にしたい」と述べた。

三越伊勢丹のファイナンシャルアドバイザーは野村証券、ニッコウトラベルはAGSコンサルティング。

 

(清水律子)

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