アウディ、2代目「Q5」の妥協なき正常進化

試乗でわかったドライバーズカーの適性

もう1台は、シリーズの頂点としての位置づけが与えられたモデルで、最高286psを発する3リッター6気筒ターボ・ディーゼルエンジンを、8段AT(トルコン)との組合せで搭載する「3.0 TDI クワトロ」だ。

まずは2.0 TFSI クワトロで走りはじめる。際立って強力、というわけではないものの、その加速はなかなか活発にして軽快。静粛性も高い。実はこのモデルに採用されたクワトロは、アウディ最新のオンデマンド式4WDシステム。リアのアクスルにディカップリング・クラッチを配することで、後輪駆動力が必要ないシーンでは、プロペラシャフトの作動を止め、燃費の向上を図っている。

実際にドライブしていると、もちろんそうしたことを意識することは皆無。「各種センサーを用いてフィードフォワード制御(出力に変動を起こさせるような外乱を予測し、前もって打ち消してしまう制御方式のこと)を行うことで、必要とされる直前に後輪に駆動力を伝えるため、フルタイム方式に遜色はない」というのが、開発の担当エンジニアによるコメントだ。

フットワークのテイストもなかなかしなやか。ヒタヒタと路面を舐めつつ走る感触が心地良いのは、今回試乗したモデルがエアサスペンションを採用していたことも要因であるに違いない。

いずれにしても見た目と同様に走りの質感も従来型以上に向上したのである。

Q5というSUVのベンチマーク

一方、遥かに高価なモデルとなりそうではあるものの、3.0 TDI クワトロが示したポテンシャルは、なるほど“シリーズ最強”という謳い文句が頷けるものだった。

ガソリンとディーゼルというエンジンの違い以前に、2.0 TFSI クワトロに対してより緻密なパワーフィールを味わうことが出来たのは、こちらが6本のシリンダーを備えるからに他ならない。わずか1500rpmという回転数から生み出される620Nmの最大トルク値はやはり圧倒的で、いかにもトップグレードらしい圧巻の速さと迫力を味わわせてくれた。

エアサスペンションはこのモデルにも採用されていたが、車高位置はドライブモードが「AUTO」の時を標準とし、下方に15mm、上方に45mmという設定幅を備える。

アウディによれば、「たとえ車両重量が変化しても、一定の性能をキープ出来ること。それに加え、ロシアや南アフリカなど、高いオフロード性能が要求されるマーケットも念頭に置いて開発を行った」というのが、こうした設定を行った大きな理由であるという。

世界で好評を博した初代モデルのDNAを受け継ぎ、より磨きをかけた2代目Q5。同クラスSUVのベンチマークとして、その地位を着実に築いていきそうなニューモデルの誕生である。 

(文:河村康彦)

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