山手線が「住みたい沿線」で首位になった理由 10年で坪単価倍増の駅が出現、下町も人気

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渋谷駅周辺では東急グループを中心とした超大型の再開発が行われている。新宿では、時期は未定だが小田急グループが意欲を見せている西口駅前の再開発計画がある。

池袋では豊島区役所跡地にオフィス・商業棟の建設計画があるほか、西口駅前も再開発の計画がある。西日暮里は駅前再開発が予定されており、商業施設・公共施設・住宅の複合開発となる予定だ。

新築マンションの建設計画も多い。神田駅周辺では古い事務所ビルの建て替えが盛んだが、敷地が狭いためにオフィスビルではなくマンションが建設される傾向がある。東京駅の隣という抜群の利便性から、坪単価はさらに大きく上昇する可能性が高い。

最も将来期待が高い山手線

また目黒では駅前に940戸の大型マンションが誕生する。2018年入居で平均坪単価は600万円。周辺相場の5割増しだ。渋谷では渋谷区役所と渋谷公会堂の建て替えが予定されており、タワーマンションの建設も計画されている。

「山手線は現在でも圧倒的な実力を持つ路線だが、進行中の再開発によって沿線の駅力がますます高まる。最も将来期待が高い路線だ」と杉原氏は言う。10年後、20年後の山手線はどのような姿になっているのか。今後の変貌ぶりから目が離せない。

大坂 直樹 東洋経済 記者

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おおさか なおき / Naoki Osaka

1963年函館生まれ埼玉育ち。早稲田大学政治経済学部政治学科卒。生命保険会社の国際部やブリュッセル駐在の後、2000年東洋経済新報社入社。週刊東洋経済副編集長、会社四季報副編集長を経て東洋経済オンライン「鉄道最前線」を立ち上げる。製造業から小売業まで幅広い取材経験を基に現在は鉄道業界の記事を積極的に執筆。JR全線完乗。日本証券アナリスト協会検定会員。国際公認投資アナリスト。東京五輪・パラにボランティア参加。プレスチームの一員として国内外の報道対応に奔走したのは貴重な経験。

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