1月米雇用は予想上回る22.7万人増 4カ月ぶりの大きな伸び、建設と小売で拡大
[ワシントン 3日 ロイター] - 米労働省が発表した1月の雇用統計は非農業部門雇用者数が22万7000人増となり、市場予想の17万5000人を上回って増加した。特に建設業と小売業で雇用が拡大したことで、4カ月ぶりの大きな伸びとなった。
雇用と景気の拡大を目指すトランプ新政権の追い風となる可能性がある。
失業率は4.8%と、前月の4.7%からやや上昇。エコノミスト予想は4.7%だった。
時間当たり平均賃金の増加は前月比0.1%(0.03ドル)にとどまり、労働市場になおスラック(需給の緩み)が存在している可能性が示された。また、12月の平均賃金は前月比0.4%増から0.2%増に下方修正された。
1月から少なくとも19の州で最低賃金の引き上げが実施されており、伸びが小幅にとどまったことは予想外だった。
賃金の伸びは前年比では2.5%となり、前月の2.8%から鈍化。伸びの低迷が続けば、米連邦準備理事会(FRB)の利上げペースは緩やかなものにとどまる可能性がある。
ミラー・タバクの首席経済エコノミスト、アンソニー・ケリダキス氏は、景気拡大局面において賃金の伸びに十分な弾みがついていないことは驚きとし、「FRBが目指す極めて緩やかなペースでの金利正常化の主因となっている」と語った。
アリアンツの首席経済アドバイザー、モハメド・エラリアン氏も「賃金の伸びが再び鈍ったことは堅調な雇用創出の継続に影を落とし、労働市場の動向に再度疑問符が付いた」と語った。
11月と12月分の雇用者数は3万9000人の下方修正となった。ただ、労働市場の引き締まりは継続しており、今後の賃金上昇の加速につながる可能性がある。
労働参加率は62.9%と、昨年9月以来の高水準となった。
就労率も59.9%と、昨年3月以来の高水準。
縁辺労働者や正社員を希望しつつもパートタイムで就業している人を加えたより広義のU6失業率は9.4%と、前月から0.2%ポイント上昇した。
1月はすべての部門で雇用が拡大した。製造業は5000人増。原油部門の重しが軽減したことで2カ月連続での増加となった。建設業は3万6000人増。前月の2000人増から大きく増え、昨年3月以来の大幅増となった。天候が穏やかだったことが後押し要因となった可能性がある。
小売業は4万5900人増と、昨年2月以来の大きな伸びとなった。ただメーシーズ<M.N>やシアーズ・ホールディングス<SHLD.O>などの小売大手は1月に雇用削減を発表している。
人材派遣は1万4800人増。前月の1万2800人減からプラスに転じた。
金融は3万2000人増と、前月の2万3000人増から伸びが加速した。
ヘルスケア関連は3万2100人増。
政府部門は4カ月連続で減少。トランプ政権は1月22日に軍を除く連邦政府職員の採用凍結を決定しているため、今後一段と減少する可能性がある。
労働省は今回1月の統計から新たな季節調整の方式などを導入。これに基づくと、昨年3月の雇用水準は従来の発表より6万人少なかったとしている。また、統計に関連する人口にも変更があったため、1月の労働人口、就業者数と失業者の数を直接12月分と比較することはできない。
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