米司法省が指摘したタカタの隠蔽工作の手口 「詐欺」行為は元幹部の刑事訴追へと発展  

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米司法省のバーバラ・マックエイド連邦検察官は「タカタは10年以上もの間、安全よりも利益や製造スケジュールを優先し、製品の安全性に関する重大な試験データを繰り返し組織的に偽ってきた」とタカタを断罪した。

法人としてのタカタは、インフレーターの試験データ偽装に関する詐欺罪を認め、司法省との間で詐欺罪の罰金2500万ドル(28億円)を支払うことで合意した。米運輸省道路交通安全局(NHTSA)と制裁金支払いの合意に続き、今回の米司法省との合意で不確定要素がまた一つ片付いた。

タカタの高田重久会長兼社長も「本合意はエアバッグインフレーター問題の解決に向けた重要な一歩であり、弊社のスポンサー選定においても重要な節目になる」とコメントを発した。

リコール費用が請求されると債務超過の恐れ

だが、最大の懸案事項であるスポンサー選定は難航を極めている。

タカタの自己資本は1215億円で、自己資本比率は29.4%、(2016年9月末時点)。自動車メーカーが肩代わりしているリコール費用はすでに1兆円を超えており、自動車メーカーが一斉にリコール費用をタカタに請求すれば、タカタは途端に債務超過に陥る。

そのため2016年2月以降、外部専門家委員会が主体となって、今後発生する財務・経営悪化を乗り切るための再建案の策定や出資者(スポンサー)の選定を進めている。当初は最終選定の期限を2016年12月としていたが、スポンサー選定作業はいまも継続している。

難航している理由は、タカタ側と自動車メーカー各社、スポンサー候補とそれぞれの立場があり、タカタ再建に向けての足並みがそろわないことにある。

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