トヨタの車づくりは「カムリ」から激変する 設計改革「TNGA」がいよいよ本格始動

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日本仕様の現行版「カムリ」。新型の米国仕様が来年1月のデトロイトモーターショーで公開される予定

トヨタ自動車は2017年に主力のセダンモデル「カムリ」を全面改良する。1月の米デトロイトモーターショーで公開されるとみられる。しかもただのモデルチェンジではない。この新型カムリは、これからのトヨタの車づくりを示す重要な戦略車となりそうだ。

トヨタは12月6日、エンジンやトランスミッション、ハイブリッドシステムなど、車の中核を成すパワートレーン(動力伝達装置)を一新したと発表した。これは2015年に発売した4代目「プリウス」から採用している新しい設計手法「TNGA」(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャ)による改革の一環だ。

TNGAは、部品の大幅な共通化や標準化でコストを削減するとともに、コスト削減で捻出した資金で商品力向上も目指す新たなクルマ作りの考え方だ。また、低重心化や走行性能の向上により、車の「走る」「曲がる」「止まる」機能を磨く狙いがある。

新型エンジンでより運転しやすく

プリウスではTNGAの採用がシャシーなど骨格部分だけにとどまっていたが、先述の新型カムリから、パワートレーンも含めたTNGAの全面導入を急ピッチで進める。5年後の2021年には日米欧と中国での新車販売台数の6割以上に、新型パワートレーンを搭載する。

排気量2.5リットルの新型直噴ガソリンエンジン(記者撮影)

今回開発したのは、排気量2.5リットルの4気筒直噴ガソリンエンジンと、このエンジンに対応したハイブリッドシステム、それに8速(前輪駆動用)・10速(後輪駆動用)のオートマチックトランスミッション(AT)だ。

開発のポイントは走行性能と環境性能の2つにある。走行性能の面では、エンジン部品の小型軽量化やトランスミッションにおけるエネルギーの伝達効率向上により、ハンドルやアクセル、ブレーキといったドライバーの操作に対する反応を良くした。これにより、時速0キロから100キロへの加速時間が10%早くなるなど、動力性能が高まった。

同時に環境性能を見ても、燃費が約20%向上する。2021年に新型パワートレーン搭載車が先述の販売台数水準に達せば、この燃費向上により二酸化炭素(CO2)排出量を15%以上削減することになるという。

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