月給5万円の旅役者に嫁いだ元OLの悪戦苦闘 親に勘当された娘は覚悟を決め幸せを掴んだ
しかし、座長妻の仕事はそれだけではない。舞台の影から合いの手を入れたかと思えば、音響、照明、着付け、さらにはスモーク、紙吹雪など、1人6役もこなしている。まさに、全てを一手に担っているのだ。
そして自分の出番が終わったからと言って、休む暇などない。舞台衣装のまま、急いでキッチンへ。昼食の支度をし、出番が近づくと再び同じ衣装のまま舞台へたつ。公演時間中、常に役者と裏方の2刀流をこなし、午後3時半、昼の公演が終了した。
しかしここでも、一息はついていられない。夕方5時半の夜公演までに昼食を食べさせなければならないのだ。この日のおかずは、サバの塩焼きと目玉焼き。育ちざかりの子供たちにはちょっと物足りないのか、ご飯の上に大量のマヨネーズをかけて食べる団員達。朝炊いたばかりの20合の米は、あっという間に空っぽに。
気づけば18人家族のお母さんに
食事が終わると、すぐさま夜の公演がスタート。夜9時に終了すれば、今度は夕食を準備し食べさせる。これでようやく、一息…と思いきや、旅一座のお母さんには、もう一つ“ならでは”の大切な仕事がある。それは、子供に勉強を教えること。1カ月単位で引っ越しを繰り返す旅一座。そのため勉強が遅れがちになる子供たちをフォローするのも、座長妻の務めなのだ。
子供たちが寝静まった後も、舞台を掃除し、翌日の段取り確認をする。すべての仕事が終わるのは、いつも深夜3時すぎ。そんなみやびさんの働きにより、客席はいつも大入り。ごく普通のOLから、旅一座に嫁ぎ、気付けば18人家族のお母さんになっていた。
みやびさんは言う。
「今は、、、幸せです。辛い時とか、悩んだりした時も、お客さんの笑顔をみると本当に幸せになるんですよ。あ~、やってきてよかったな。良い旦那さんについてきてよかったなと思います」
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