初公開、ジャパネット髙田明の「伝え方」7極意 引退までの1年間、社員に教え続けたこと
では、極意のひとつひとつについて、少し詳しくお話ししましょう。
話す「順番」と「間」を意識する
極意その1:起承転結の順序は変えてもいい
まずは、話の順番、「起承転結」あるいは「序破急」についてです。
一般にビジネスパーソン向けの商品と思われているボイスレコーダーをジャパネットではシニア層に向けて紹介し、よく売れたことがありました。
ボイスレコーダーをビジネスパーソンや学生にではなく、シニア層に紹介する場合、冒頭でこんなふうに言います。
「ボイスレコーダーは会議に使うのも便利ですけど、ちょっと物忘れしそうなときに、自分の声をメモするのもいいですよ」
これが導入の「序」です。
この提案で、一般にはあまり売れていなかったボイスレコーダーがジャパネットでは大ヒットしたんですよ。シニア世代という新しい市場が開拓できたんです。
そして「破」の部分、展開を考えます。
「軽いでしょう。どこにでも持って行けますよ」
「使い方を説明しましょう。簡単ですよ。3つあるボタンの、ここを押すだけですぐに録音ができますよ」
使い方の説明では、聞いている人が頭の中で整理できるようにしないと伝わりません。
テレビショッピングでは、「急」、つまり結論は価格です。価格はほとんどの場合、最後にお伝えします。サプライズは最後にとっておいたほうがいいでしょう。
でも、たまには結論を最初に言うときもありますよ。
テレビショッピングはもちろんですが、会議での発表などでも、序破急を意識すれば、上手くプレゼンテーションができると思います。
序破急は起承転結と言っても同じです。順番は変えてもいいんですよ。結論を最初に言ってもいいし、極端な話、転結起承でもいいんです。まずは序破急や起承転結の構造をしっかり理解して、その構成や役割が理解できたら、序を後回しにして、破からいっても上手く伝わる方法があるんです。
こんな場合は、結論から言ったほうがいいな、相手の性格を考えたら、説明を尽くしてから結論を言ったほうがいいなって、状況や相手によって、話す順番にも正解があるのだと思います。
極意その2:わずかな「間」を意図的に作る
テレビショッピングなら、最も伝えたいことをいつ言うか、いつ値段を出すか。そこでどんな間をとるか、つなぎの言葉を入れるかどうかが重要なポイントです。
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