個人投資家には「持たざるリスク」なんてない 「乗り遅れてしまった」と焦っている人たちへ
株式市場の「トランプ・ラリー」はいつまで続くのでしょうか。2016年の大納会の日経平均株価は3日連続で下落となったものの、1万9114円で終了しました。11月8日の米大統領選挙以降で見ると、総じて順調な相場が日米共に続いています。
「持たざるリスク」があるのは「運用のプロたち」
このように短期間に株式市場が上がり始めてくると昔から「持たざるリスク」ということがよく言われます。これは「株が上がったのに持っていなければ、儲けそこなってしまう」、ということを意味する言葉です。評論家の人たちは、よくこういうことを言いますし、証券会社の営業マンも「株を買っておかないと、ここからは“持たざるリスク”が出てきますよ」などと言ってさかんに株式や投資信託を勧めてきます。
最近のような動きになってくると、2017年もずっとこの堅調な相場が続くという見方も増えてきていますから、内心は「乗り遅れたんじゃないか」という不安な心理になっている人も多いことでしょう。そこで、彼らの勧めにしたがって、「とりあえず何か買っておこう」という行動をとりがちになってしまいます。
でも実はこの「持たざるリスク」というのは個人投資家にはほとんど存在しないと言っていいのです。「持たざるリスク」があるのは他人のおカネを預かって運用する仕事をしている人、例えば投資信託を運用するファンドマネージャーや年金基金を運用する人達です。
なぜなら彼らは常に比較されるからです。市場全体の上昇幅に比べて劣っていたり、同業他社に比べて成績が負けていると解約されたり、運用委託先を変更されたりしてしまいますから、絶対に他に負けるわけにはいかないのです。ところが上昇相場の時に現金のままで様子を見ていたのでは、インデックスや他社の運用に負けてしまいます。だから「持たざるリスク」は存在するのです。
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