新年の幕開けは駅から!初日の出が拝める駅 有名スポットからちょっと意外な駅まで10選

✎ 1〜 ✎ 22 ✎ 23 ✎ 24 ✎ 最新
拡大
縮小

7)小田井駅(東海交通事業城北線・愛知県名古屋市)

ビルの6階に相当する高さの小田井駅からの見晴らしは素晴らしい(筆者撮影)

きわめて高い高架線上を走る非電化の城北線は、見晴らしがよいことで知られている。普段は閑散とした路線だが、年に一回の元旦の「初日の出号」は唯一と言っていいくらい賑わうイベントだ。列車はビューポイントで停車するが、小田井駅ホームからの初日の出見物も人気だ。列車利用のみならず、直接駅のホームに上がることも可能である。ビルの6階に相当する高さなので、何も考えずに階段を上りだすと後悔するだろう。

8)二子玉川駅(東急田園都市線/大井町線・東京都世田谷区)

都会にも見晴らしがいい駅は多い。ホームが多摩川にかかった二子玉川駅の眺めは素晴らしい(筆者撮影)

10両編成の長い電車が停車するため、ホームが多摩川に架かる鉄橋上に延びている。中央林間、長津田方面行きの電車が発着する1番線ホームの溝の口寄りに立つと、川の上にいる感じで、見晴らしがよい。日の出を眺めるのに申し分のないロケーションである。島式ホームで、この付近の幅は大変狭くなっているけれど、2番線に発着する大井町線の電車は最大で6両編成しかなく、川の上あたりは停車しないので柵で覆われている。従って、田園都市線の電車にのみ注意していれば、安全上の問題はない。

9)高井戸駅(京王電鉄井の頭線・東京都杉並区)

地平を走る区間の多い井の頭線だが、高井戸で環八通り(環状八号線)と交差するため高架になっている。線路の南側を神田川が流れていて、公園が点在していることもあって高層マンションやビルは環八通り沿いに限られている。従って、渋谷方面の島式ホーム先端部は見通しがよく、上下線も離れているので安全に初日の出が拝めるスポットとなっている。

やはり「日の出駅で日の出」を…

10)日の出駅(ゆりかもめ・東京都港区)

日の出駅だから、ここで初日の出を見てみたい。幸いホームは高架になっていて見晴らしは良い。ガラス張りの駅で、島式ホームだから、頻繁にやってくるお台場方面へ向かう車両が到着すると眺めは遮られる。東京湾の向こうに晴海や豊洲のビル群が見え、都会的な情景の中で初日の出が拝めそうである。ガラス張りとは言え、密閉された空間ではなく隙間風がかなり入ってくるので寒さ対策は怠りなくしよう。

以上、首都圏を中心に初日の出が拝める駅についてまとめてみた。初日の出の時刻は、山頂や離島を除いて日本で一番早い千葉県の犬吠埼が6時46分ごろだ。それでは、よいお年を!

野田 隆 日本旅行作家協会理事

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

のだ たかし / Takashi Noda

1952年名古屋市生まれ。早稲田大学大学院修了(国際法)。都立高校に勤務のかたわら、ヨーロッパや日本の鉄道旅行を中心とした著作を発表、2010年に退職後は、フリーとして活動。日本旅行作家協会理事。おもな著書に『にっぽん鉄道100景』『テツはこんな旅をしている』『シニア鉄道旅のすすめ』(以上、平凡社新書)、『テツ道のすゝめ』(中日新聞社)、『ニッポンの「ざんねん」な鉄道』(光文社知恵の森文庫)、『テツに学ぶ楽しい鉄道旅入門』(ポプラ新書)などがある。

この著者の記事一覧はこちら
関連記事
トピックボードAD
鉄道最前線の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT