第2の「ブラックマンデー」は突然やってくる 1987年日経平均は1日で3836円も下落した
「気崩れ」とは、特に理由がないのに、売り買いのバランスが崩れて突然起きる急落現象を言う。
その代表例こそが1987年10月19日の米国のブラックマンデーだ(NYダウは前日比508ドル下落、下落率は同22.6%)。翌20日の日経平均は前日比3836円安(下落率は同14.9%)となったのである。下げの理由は後講釈でいろいろ言われるが、筆者は「だれも理由がわからず呆然としていたその日の朝」のことを、今でも鮮明に覚えている。
その翌日はあっという間に2037円高となったように、売り買いのバランスが崩れて突然起きた気崩れ現象だと言える。当時は未熟なアルゴリズム売買がそれを助長した。
これから「危険日」は次々にやって来る
もちろん、当時とはさまざまな条件は違ってはいるが、この気崩れ現象が今週起きる危険性がある。特に22日(木)は、外国人投資家から見たら嫌な日だ。欧州系日本株ファンドは、23日(金)が天皇誕生日で休場。クリスマスを挟んで翌26日(月)がNY、ロンドン休場。さらに27日(火)ロンドン休場なので、22日は5連休前の立会日となる。
上役がクリスマス休暇でおらず、留守を任されたファンドの若手ファンドマネージャーの不満の声が聞こえてくるが、22日のオーバーナイトリスクを嫌って、ポジションをわずかずつでも一斉に減らしたら、売り買いのバランスが崩れる危険が生じないか。次々と「過熱の危険ライン」を突破している日経平均だが、今年最後のリスクと考えている。
ただ、22日を無事通過したとしても、売り方が期待する下げのタイミングは、これからどんどん来る。節税対策で年末売りを我慢した米投資家の売りが出る年明け、トランプ就任後の政策矛盾点の顕在化、金利上昇の速度予測がその都度分かるFOMC結果発表日(2月1日、3月15日、5月3日)など、来年前半だけでも注意点はいくつもある。
しかも市場占有率が50%を超えていると言われるアルゴリズム取引を考えると、「第2のブラックマンデー」はいつ起きてもおかしくない。
筆者は今回のトランプラリーを、共和党が盤石な政治的地盤を固める2年後の中間選挙までと見ているが、果実は腐る前が一番おいしい。急落をも楽しむ余裕で、これからの相場に対処してもらいたいと思っている。
さて、これを踏まえての週間の日本株予想だが、日銀金融政策決定会合(19-20日)は材料としては限定的であろう。いつ発信されてもおかしくないトランプ氏の「ドル高けん制発言」、小型無人潜水機接収で高まる米中緊張などの材料もあるが、まずはテクニカル面から見た株価の動きが重要だ。
目先の尺度となる25日移動平均(先週末時点で1万8421円)の5%かい離の1万9342円を割れると、ここから上が圧迫ゾーンになる。ひとまず25日線近くの1万8600円が下値のメドか。もし一気の2万円突破があったら、さすがに強気の筆者としても、もう苦笑するしかない。
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