20代女性を虜にするアパレルブランドの正体 マッシュホールディングスは何がスゴいのか

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もちろん、新規事業のすべてがうまくいっているわけではない。女性がもっと気軽にスポーツを楽しみ、スポーツウエアとオン(ビジネス)の境目がなくなる時代が来ることを想定し、2014年にスタートしたヨガやトレーニングウエアなどの「エミ(emmi)」と、スポーツセレクトショップの「W&E」に関しては、好調な店舗もあるものの、全体の認知度や売り上げは計画を超えられずにいる。

初のユニセックス業態で、ラフォーレ原宿の1階に出店したばかりのセレクトショップ「ユニオン ストア トウキョウ(union store tokyo)」も、順調な出足とは言えない状況にある。でも、近藤社長はポジティブである。

「ファッションとスポーツを掛け合わせた“女性のスニーカービジネス”を育てていく覚悟はありますが、現状は厳しい。それでも女性が会社にスニーカーを履いて行く“ビジネス×スポーツ”の市場は、東京五輪までに作れると思っています」

女性の24時間をサポートしていきたい

近藤社長の野望は果てしなく大きい。

「僕は女性の24時間のクリエーティブのすべてをサポートしていきたいんです。朝起きて飲むジュース、洗顔や化粧水などの基礎化粧品、仕事終わりのヨガやおいしい食事が楽しめるレストラン……。こうしたライフスタイルのあらゆるシーンで、無理せず買える品質のよいモノを提案して、女性をハッピーにしたい。今は世界中で『価値の一元化』が進んでいる時代です。iPhoneもナイキのスニーカーも、先進国の人なら誰でも買えるものですが、圧倒的なブランド価値がある。私たちが目指しているのはファッション界で、それらと肩を並べる存在になることです」

マッシュがスナイデルを始めた11年前から、女性の生き方やライフスタイルは大きく変わり、嗜好も細分化されてきている。競争相手も、日本勢だけではなく、世界規模で考えなければならない時代だ。こうした厳しい環境下で、女性の24時間に寄り添った圧倒的なブランドになれるのだろうか。今後の動向からますます目が離せない。

増田 海治郎 ファッションジャーナリスト

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ますだ かいじろう / Kaijiro Masuda

1972年埼玉県出身。神奈川大学卒業後、出版社、繊維業界紙などを経て、2013年にフリーランスのファッションジャーナリストとして独立。『GQ JAPAN』『MEN'S Precious』『LAST』『SWAG HOMMES』「毎日新聞」「FASHIONSNAP.COM」などに定期的に寄稿。年2回の海外メンズコレクション、東京コレクションの取材を欠かさず行っており、年間のファッションショーの取材本数は約250本。メンズとウィメンズの両方に精通しており、モード、クラシコ・イタリア、ストリート、アメカジ、古着までをカバーする守備範囲の広さは業界でも随一。仕事でもプライベートでも洋服に囲まれた毎日を送っている。著書に『『渋カジが、わたしを作った。』

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