マーケットを支配する「超楽観論」の行方 世界経済の成長予測は軒並み高成長
経済協力開発機構(OECD)はもっと楽観的で、トランプ次期政権の政策見通しを理由に先に世界成長率について来年は3.3%、今年は2.9%にそれぞれ予想を引き上げた。
資産運用会社カンドリアムの資産アロケーション部門の責任者、ナデージュ・デュフォセ氏は「米経済が2017年に景気後退入りする見通しは小さくなった。当社は株式をオーバーウエイトとしており、特に米国と日本でその傾向が顕著だ」とした。
トランプ氏の勝利を受けてアジアや欧州の市場では株価が大きく下げ、債券利回りとドルも下落した。しかし米国の株式市場はすぐに持ち直し、主要指数は最高値を更新。投資家の不安心理の度合いを示すとされるVIX指数は過去最低水準に下がった。
ドル高が成長を阻害する可能性
しかもこうした株価上昇は、債券利回りやドルが大幅に上昇する中で起きた。利回りとドルの上昇は金融引き締めの効果を持ち、成長を阻害する可能性がある。
この数年、とりわけ2016年は、政治、経済、金融面の重大なリスクが金融市場の急落につながっていない。英国のEU離脱を巡る国民投票や昨年のギリシャの金融危機、米国の政府機関閉鎖問題などは、いずれも非常に強い警戒感が広がったにもかかわらず、実際には危機に発展しなかった。
クラインオート・ベンソンの最高投資責任者のMouhammed Choukeir氏は先月のロイター・グローバル・インベストメント・アウトルック・サミットで、投資家は「政治面のノイズに対して過度な懸念を持つべきでない」と述べた。
(Jamie McGeever記者、Vikram Subhedar記者)
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