超簡単!「書類の山」から解放される片づけ術 発想の転換ひとつで「新しい収納法」に!

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筆者は浅いトレイ1つ、深いトレイ2つのレターケースを利用している

ただ、この「かさね収納」には、ひとつの問題があります。積み上げてしまっているので、書類を取り出しにくく、また倒れやすいということ。その問題を解決するのが、レターケースです。

レターケースは、縦の空間を効率的に活用しながら、取り出しやすさをも実現する夢の収納です。崩れ落ちる危険もなくなりますし、誰からも後ろ指をさされることがありません。私は本棚にレターケースを置いて、書類をどんどん放り込んでいます。もちろん、倒れることもありませんし、3段、4段に分かれているので、書類も取り出しやすくなります。

ケースの深さは、収納したいものに合わせて選びましょう。個人的には、なんでも放り込める深いものを組み合わせるのがおすすめです。私は浅いトレイ1つ、深いトレイ2つのレターケースを多用しています。書類もかなり収納できるので、深く考えずにドサッと放り込んでいます。

子どものお菓子も、深いトレイにまとめて収納できる

ちなみに、子どもの小さなおもちゃもレターケースを使って整理しています。薄いトレイには大好きなシール類を、深いトレイにはお菓子を入れています。こうすることで、ごほうびのシールやお菓子が散乱することなく整理できています。

レターケースという言葉から書類や文具だけを収納しがちですが、たとえばオフィスグリコのケースがそうであるように、案外いろいろなものが収納できるのです。

書類を躊躇せず捨てられる沈殿フィルタリング

書類を積み重ね、使った書類を上に戻していくと、いちばん下には長い間使わなかった書類が「沈殿」していきます。こうした使うことのない古い書類は、おそらく捨てて構わないという判断が可能になります。時間軸を使って不要な書類を可視化するのにも、レターケースは便利です。

こうした書類の重要性の可視化は、野口悠紀雄先生の押し出しファイリングにヒントを得ています。野口先生の押し出しファイリングでは、書類棚の手前に新しい書類を戻すことによって、古い書類を端へ端へと押し出していくという方法を取っていました。それをレターケースの場合は、下へ下へと沈殿させていきます。まるで澱を沈殿させて取り除くように行うこの整理を、沈殿フィルタリングとでも名づけようと思います。

時間をかけて捨てるべき書類を沈殿させていくことには、合理的な理由もあります。書類を受け取った瞬間には、その書類が将来役立つかどうかの判断はつきません。しかし、時間というフィルターをかけることによって、価値がない書類を抽出することができるのです。時間の裁定に委ねるのです。

こうしてできるだけ整理や片づけの負担を減らしながら、書類を捨てていける仕組みを作る。そこに片づけの極意があるのです。

小山 龍介 ブルームコンセプト代表取締役

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こやま りゅうすけ / Ryusuke Koyama

1975年福岡県生まれ。AB型。京都大学文学部哲学科美学美術史卒業。大手広告代理店勤務を経て、米国MBAを取得。その後、松竹株式会社 新規事業プロデューサーとして歌舞伎をテーマに新規事業を立ち上げた。2010年、株式会社ブルームコンセプトを設立し、現職。名古屋商科大学大学院 准教授(ビジネスモデル論)、(社)ビジネスモデルイノベーション協会 代表理事、(社)日本能楽謡隊協会 理事、ビジネスモデル学会 プリンシパル。宝生流シテ方能楽師の佐野登に師事し、2015年『土蜘』を演能。著書に『IDEA HACKS!』(東洋経済新報社)をはじめとするハックシリーズ、訳書に『ビジネスモデル・ジェネレーション』(翔泳社)等がある。

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