日本のメディアが「広告連合」を作ったワケ J-PADが「運用型広告」に一石
日経傘下のフィナンシャル・タイムズも、少人数でプログラマティックを運用している。だが、「予約型と同価格帯で取引しているため、ある程度クリエイティブの質も担保できている」と、國友氏。また、プログラマティックであっても「メディアの特性と広告クリエイティブの組み合わせがパブリッシャーのブランドに直結する。その価値を維持するため、日経では確認していない広告は掲載していないし、事前確認のできないオープンRTBでは取引しない」と付け加えた。
J-PADに期待されること
J-PADの目標として、プレミアムな在庫、スケールあるリーチ、活用の容易さ、透明性が掲げられている。さらに新谷氏は、「広告を高いCPMで売ることをパブリッシャーアライアンスの目標としたい」と語った。その意気込みに対し、横山氏は「海外ではCPMが100ドルになることもある。それだけニーズに対してのターゲティングの精度が高いということの証明だ」と補足する。
日経の國友氏は、「ターゲティング商品では横山氏の海外事例に限りなく近い価格で販売したことがある」という。とはいえ、パブリッシャーが常に、プログラマティックに抱くフラストレーションのひとつは、スケールの小ささゆえに価値に見合った価格で販売できていないことだと指摘。「その点はJ-PADのパッケージに期待することのひとつだ」。
J−PADに加盟することで、媒体のコンテンツに対する価値がより高まることを期待されている。だが、競合とはいえ、1社では業界の流れは変えられないはずだ。そのために、業界全体が協力していくような方向になることが望ましい。
J-PADは、今年12月からの広告掲載実施に伴い、上記6社のほか複数の媒体社との連携を現在進めているという。
(Written by 中島未知代)
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