トランプ大統領で日本株はさらに暴落するか 米与党が大統領選で負けるとやはり不吉?

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このダウ1万4000ドルという水準は、2008年のリーマンショック前年の、2007年の高値の水準である。また、平均ではなく、下げ幅が最も少ないケースの下落率(2000年の6.2%)をあてはめても、1万6350ドルまで下落することになる。

9日の18時30分前後で、NYダウの先物は急落後急速に値を戻しているが、今日だけで考えるのではなく、年末までにもう一波乱、ふた波乱あってもおかしくないということになる。日経平均も10日はいったん値を戻すことも考えられるが、乱高下があることを念頭に置いていたほうがいい。

今回、このような事態になることを読めなかった向きは、真のトランプ氏の支持層の存在を過小評価していた。選挙前までは、トランプ氏を表だって支持することははばかれたこともあり、トランプ氏の一部の支持層は支持をあからさまには表明していなかった可能性がある。

不人気者同士の選挙戦だったとはいえ、結果を見れば、トランプ氏の方が最初から優勢だった可能性もある。またマスコミの報道も歪められていた可能性も否定できない。明確な根拠こそないものの、筆者が感じていたところでは、ほとんどの大手のマスコミがクリントン氏を支持していた。大統領にふさわしくない数々の発言などがあったとはいえ、ある意味では異常だった。

いずれにしても、市場の大方の予想に反して、トランプ氏の勝利となった。今後の市場は不安定かつ不透明になるとみるのが賢明であろう。

米大統領の就任は来年の1月20日である。それまでの期間、米国はまさに「空洞化」する。オバマ政権はすでにレームダック化しており、機能しない。2017年の年明けまで、市場はやや不安定になるだろう。

株価の下落は一過性で終わる?

しかし、とはいえ、筆者にはズルズルと下げるということはあまり想定できない。というのも、やはり、過去のデータを見ると、今回のような大統領選の結果となって急落した場合、逆に11月12月の米国株のパフォーマンスが非常に良いからである。

もちろん、今回もそのようになるかはわからない。だが過去のデータがそうなっていることだけは念頭に入れておくべきであろう。

また、政策面を考えると、筆者はクリントン氏よりも、むしろトランプ氏が大統領になったほうが良いと考えていた。実際に今回の選挙では、上下院とも共和党が制したこともプラスだ。これまでトランプ氏が公表してきた政策が正しく実行されるのであれば、米国にとっては景気刺激的にもなり、さらに税収の増加への期待もあり、むしろ歓迎されるべきかもしれない。

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