銀行が借り手の将来性に貸すのが難しい理由

金融庁の方針を鵜呑みにしたら何が起こるか

担保も保証もなしに貸すのは難しい話です(イラスト:poosan / PIXTA)

金融庁が10月21日に発表した「平成28事務年度金融行政方針」。その中で、銀行(信用金庫等を含む、以下同様)に対し、「担保・保証がなくても事業に将来性がある先、信用力は高くないが地域になくてはならない先、などに積極的に融資する」ように促しています。

これには銀行が貸出に際し、十分な担保・保証のある先や高い信用力のある先にしか貸していないのではないか、いわゆる「日本型金融排除」が生じているのではないか、という問題意識が背景にあります。

銀行がその方針に添って融資を行えば、「技術力はあるが信用力が無いために、これまで業容が拡大できていなかった企業」の発展につながり、日本経済の成長に対する大きな支援となるはずです。

しかし、実際には容易なことではありません。

融資先の多くは「可もなく不可もない」平凡な借り手

たとえば駅前商店街の魚屋について考えてみましょう。周辺住民の信頼も厚く、従来どおりに淡々と魚を売り続けるとすれば、事業の将来性としては悪くはありません。一方で、店主の病気やケガ、周辺住民の高齢化や人口減少などは心配ですし、近隣に大型スーパーが建つ可能性もあります。そう考えると、やはり担保や保証なしに融資することは困難です。

銀行の融資先のほとんどは、こうした平凡な借り手です。それについて「担保や保証が無くても貸せ」というのは、難しいのです。

たとえば2016年11月1日に大阪地裁へ特別清算を申請したパナソニックプラズマディスプレイ。巨大企業パナソニックのグループの1社(主要株主はパナソニックが75%、東レが25%出資)であっても、液晶との競争激化や市場価格の大幅下落などによって経営が成り立たなくなりました。

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