伊勢丹、ビームスも惚れた27歳の“超新星”

新世代リーダー Origami(オリガミ)CEO 康井義貴

――モバイルコマースを選んだのはなぜ?

現在、日本のeコマースの市場規模は約10兆円あり、成長産業と言われています。実は、この横に約120兆円の小売市場があります。そこはテクノロジーがまったく手つかずの状態で、いまだにクレジットカードや現金が使われています。スマホの出現によって、ここにイノベーションが起こると思います。しかし、まだ誰もやっていない。それなら僕らがチャレンジしようと。

スマホの普及により、デバイスの中で消費者とビジネスがつながり、オンラインとオフラインの境がなくなったということに本質的な革新があります。従来のPC時代の体験をスマートフォンの小さい画面に当て込む「スマホ化」や「スマホ対応」という言葉がはやっていますが、今後、より本質的なパラダイムシフトが起こってきます。

スマホを使えば、街を歩いていても、タクシーに乗っていても、いつでも、どこでも商品が購入できます。技術的には実店舗にいてもスマホを使って商品が購入できる。この場合、商品は発送される必要がなく、その場でユーザーが受け取ることも可能です。つまり、モバイルコマースはeコマースの新しい形というだけでなく、今後は決済のソリューションにもなっていく。この分野でイノベーションを起こしていきたいと思っています。

もうひとつは、これまでブランドやショップにとって、eコマースが非常に限定的な形で展開されてきたことです。優れたプロダクトを扱っているのに安売り競争にさらされるなど、うまく活用できていないケースが多い。優れたプロダクトに加えて、きちんと顧客とブランドやショップがリレーションシップを構築できるプラットフォームがあるといい。私が知っているかぎり、そうしたソリューションを提供しているサービスは海外にも数少ないです。

「衝動買い」の世界観をネットで

――オリガミのサービスの強みは?

15年ほど前から、eコマースの根本の仕組みは大きく変化していません。検索窓に商品名を打ち込んで探す仕組みですね。これは○○と決めて買う「目的買い」のモデルです。ただ、実際のショッピングでは、店頭など、その場で判断してモノを買う「衝動買い」が多いはず。たとえば、銀座にショッピングに出かけ、こちらのブランド、次はあちらのブランド……などと歩いていく。これは多くの場合、特定の商品を求めているわけではありません。こうした「衝動買い」の世界観がネット上ではまだ再現されていないと思います。

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