Facebook「裸の少女」写真削除騒動の舞台裏 検閲が招いた問題にどう対処するのか

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「『戦争の恐怖』を伝えるような写真の世界的・歴史的意義は時にヌードをフェイスブック上から排除する重要性に勝ることがある」と同氏は述べている。

フェイスブックの広報担当者であるクリスティン・チェン氏は、研修で前述の写真を使用したことについてコメントを差し控えた。

投稿の検閲に関する規約や慣習の詳細を公表するよう求める声に同社は長い間応じていない。このような姿勢は、投稿を削除されたユーザーや、透明性の欠如などを指摘する言論の自由を擁護する人々から批判を招いている。

その一方で、一部の国や反テロ団体からは、攻撃的で危険だとみなされる投稿をもっと削除するよう圧力を受けている。

上層部が検討

フェイスブックの現旧幹部はロイターに対し、苦情が同社のコンテンツ規約を決定する部門までいかにたどり着くのかを、大半が匿名を条件に詳細に語った。最も難しいものは幹部トップにまで上げられるという。

もう1人の主要な意思決定者であるグローバル・ポリシー・チーフのモニカ・ビッカート氏は、戦争写真をめぐる騒動での決断に関与した。

「厳正に調査した結果、(写真は)フェイスブック上に確かに属するものと判断した」と元連邦検事のビッカート氏は述べているが、意思決定プロセスの詳細については明らかにしなかった。

フェイスブックのシェリル・サンドバーグ最高執行責任者(COO)は、同社がノルウェー国内のユーザーアカウントから戦争写真を削除した後、自身のアカウントにこの写真を投稿した同国のソルベルグ首相に陳謝した。

サンドバーグ氏、オソフスキー氏、ビッカート氏に加え、慎重さを要するコンテンツの問題に関わる幹部には、政府関連の責任者を務めるジョエル・カプラン氏、パブリックポリシーと通信担当の副社長であるエリオット・シュラージ氏がいる。

これら5人は皆、ハーバード大学で学び、学士号あるいは大学院の学位を持ち、サンドバーグ氏以外は法律の学位を取得している。

ビッカート氏によると、同大学を中退しているマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)もコンテンツ問題に関与することがあるという。

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