なぜ男は再婚を望み、女は独身を貫くのか パートナーと離別後、男と女はこんなに違う
現在でも夫を亡くした悲しみは癒えていないが、シュワルツはボランティア活動や水泳、ウォーキング、読書会への参加などを再開した。家族や友人たちに支えられ、ひとりで元気に過ごしているようだ。
男性にはない強い武器
多くの高齢女性が夫との死別を乗り越えて人生を謳歌していることは、社会学者たちも立証している。ラトガース大学のカーがミシガン州デトロイトに住む高齢者を対象に行った調査では、女性は夫がいるときは精神的に夫に依存しているものの、夫を亡くした後でも自己満足度が非常に高かった。
「女性たちは新しいスキルを学ばざるをえなかった」とカーは言う。「1年ほどで個人的な成長などがみられる」
当然ながら、すばらしいとはいえない結婚生活は多いし、結婚生活そのものが高齢者の健康に負担になることもある。でもそれ以上に、高齢の女性たちには男性にはない武器を持っている。おしゃべり仲間や読書会などのグループ、友人関係といった強い社会的なつながりだ。
「女性はより近しくて信頼できる人間関係を持っており、それが精神的・肉体的な健康にとって非常にいい」と、アンバーソンは言う。「女性は成長したわが子との関係もより密接だ」
ゲイル・シュワルツはまだ新しい恋人を見つける準備はできていないものの、自宅でひとりで過ごすことに寂しさを感じている。「いつか人生を共にできるパートナーを見つけることができたらすばらしい」とシュワルツは言う。
しかしもうすぐ80歳になる彼女は、夫にしてきたようなサポートが独身である自分にも必要になるときがくるという現実もわかっている。「それについては子どもたちと話している。彼らに世話してもらうわけにはいかない。子どもたちにも自分たちの生活があるのだから」とシュワルツは言う。
シュワルツは、自分に介護が必要になったらいい施設を見つけて、訪ねてきてほしいと3人の娘たちに伝えている。「それでいい」とシュワルツは言う。「それが私が子どもたちに望んでいることだと知っておいてほしかった」
(執筆:Paula Span記者、翻訳:中丸碧)
(C) 2016 The New York Times News Services
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