日本はなぜ「起業後進国」に成り下がったのか

これは文化というよりリスクの問題だ

残念なことに、1970年代の2回のオイルショックに続く急激な景気後退により、日本は未来の勝者を生むより、急激な構造変化に敗れた人々の保護に力を入れるようになってしまった。日本人に宿っている起業家精神と、既存企業を保護する政治的圧力の間にある緊張状態が、40年にわたる日本政府による起業促進政策の失敗の裏には横たわっている。

もちろん、日本政府、とりわけ経済産業省が起業促進に対して真摯であることは疑いの余地はない。それは、1980年代の「テクノポリス」構想や新興企業への助成、マザーズなど新興企業向けの株式市場の設立、ベンチャーファンドの促進などの取り組みを見ればわかる。

右手で与えながら、左手で奪う

しかし日本では、起業を促進する取り組みは、意図のあるなしにかかわらず、既得権を守るための取り組みによって、矮小化されてしまう。つまり、右手で与えたモノが、左手によって奪われてしまうのである。

政府系列の日本政策金庫(JFC)は、中小企業約10万社に対して、ほとんどの場合、担保、保証人、個人保証なしで、平均700万円の融資を行っている。このうち2万3000社は、平均従業員数4人の新興企業である。

ただ、起業家で内閣府の参与を務める齋藤ウィリアム浩幸氏によると、貸し付けプロセスはほとんどまともに行われておらず、必ずしも有望な企業に資金が提供されているわけではない。「資金を得ているのは主に申請書を記入するのが得意な企業に限られている。申請書を記入するのを手助けする企業が複数あるほどだ」という。

同時にJFCと系列の信用保証協会は、貸付金として政府保証を提供している。政府保証は毎年国内総生産(GDP)のほぼ6%に達しており、日本の中小企業の4割がこれを利用している。仮にこうした貸付保証がなければ、中小企業のほとんどは銀行からローンを借りることはできないだろう。

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