「小さなミスを軽く見る」人は一生伸びない 小さいほど、重大な「課題」が潜んでいる

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たとえば、3ケタで入力すべき項目を4ケタで入力してしまうミスをしていたとします。ここで気づくべき、いちばん大切なメッセージは「3ケタでしか入力できないシステムにしたほうがいい」というものです。なぜならば、そもそも3ケタ以外の入力はできないようになっていれば、そうしたミスは二度と起きないからです。同じような方法は、多くの企業で採用されていますが、個人でももっと気づいて取り入れられることがあるはずです。

ここでひとつ大切な心構えがあります。成功はひとつしかありませんが、ミスは無数にあるということです。

ある仕事をして、結果は成功だったという場合でも、手順が正しくなければミスといえます。同じように、ルールを守っていなければミスですし、途中の判断を誤っていればミスです。

本来の正しい方法でなくても仕事は完了できますが、たとえ結果が成功であったとしても、その中のどれかひとつでも間違いがあれば、仕事全体がミスだったという認識を持たなければいけません。そうすることで、たとえ仕事に成功したとしても、気を緩めることなく、ミスの芽を摘みとっていくことを習慣にすることができます。

どんなに些細なことからでも自分を成長させるメッセージを受け取れるようになります。最初は億劫に感じるかもしれませんが、やってみれば小さなこと一つひとつから幸せを感じられるようになります。そして、あなたは小さな成長を一つひとつ実感できるはずです。

時が解決してくれることはないと肝に銘じる

最後は「時が解決してくれることはないと肝に銘じる」についてです。

嫌なことがあればそこから目を背けたくなります。でも、忘れてはいけないのは、気持ちは楽になったとしても、現実は何も変わっていないということです。――そして、本当に怖いのは、たいていの場合は目を背けてもやり過ごせてしまえることです。

たとえば、上司にひどく叱られて現実逃避をし、翌日には気分が楽になったとします。またいつもと変わらない一日が始まります。前日に思いのたけをぶつけた上司は、もうそれ以上は何も言わないかもしれません。このような時、あなたはどのように振る舞うでしょうか。ほっと胸をなでおろして、そのまま上司からの叱責はなかったことにしていないでしょうか。このようにして、ミスをしたことを忘れ、いつもと変わらぬ毎日を送り始めてしまうのです。

でも、これでは、いつまでたっても上司に叱られた本当の原因はわかりません。その原因を取り除くこともできません。その後、しばらくは問題なくやり過ごせたとしても、それは偶然に過ぎません。

「時が解決してくれるでしょう」というのは、ドラマの中だけでのセリフです。この世の中に、時が解決してくれるような問題はありません。だからこそ、問題を放置してはいけないのです。何か問題が起きたら、必ず一度は立ち止まる習慣を持ちましょう。 

坂本 松昭 マネジメントストラテジスト

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さかもと まつあき / Matsuaki Sakamoto

神奈川県生まれ。東京大学大学院理学系研究科修了(理学修士)。政策研究大学院大学修了(公共政策修士)。専門は、経営管理、データサイエンス。

都市銀行勤務を経て、現在は大手企業に所属。単独部門では解決できない全社的な問題解決に取り組むほか、中小企業経営にも参画の経験がある。組織力強化のためのメソッドを提唱し、多くの職場で成果を出している。

著書に『誰がやってもうまくいく!最強の組織づくり』(同友館)がある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

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