女性には「美人」と「美人予備軍」しかいない 最大公約数のモテを目指しても幸せはない
スー:野宮さんは『赤い口紅があればいい』のなかで、「雰囲気美人になろう」「雰囲気美人なら誰でもなれる」というメッセージを投げかけています。私はそこに非常に感銘を受けました。「この世の女性はみんな“美人”と“美人予備軍”です。」という名フレーズには目の瞳孔が開き切りましたし、救われる人がたくさんいると思います。
野宮:私は根が怠け者なので、コツコツ努力することができなくて。ジムやダンスなどいろいろなことにチャレンジしたんですけど、どれひとつとして続かなかったんです。唯一続いたことは、35年やってる歌だけ。人前で歌い続けるために必要な、見られる意識を持ってきたことが、雰囲気美人を作るうえでいちばん大切だったのかなって。つねに完璧な美人でいなくても、そのときどきにチャーミングに見えればいいという考え方がベースの、省エネテクが基本なんです。
スー:つまりこれは、美人に「なる」本ではなくて、美人に「見えるようになる」本なんですよね。
野宮:それでいいと思います。
若さを補い過ぎると老けて見える
スー:『赤い口紅があればいい』には、雰囲気美人になる秘訣がいくつか書いてあるんですけど、なかでも「個性を大事にする」がやはりポイントだと思うんです。野宮さんのように、自分の好きなものを着て、それが個性に合っていて、周りからも素敵だと褒められたらwin-win-win。その核となる“個性”を見つけるにはどうしたらいいんでしょう?
しかも、野宮さんのようにヘアメイクやスタイリストさんがいない人の場合は、どうやったら自分のコンプレックスを個性にできるのか、その個性を魅力的に見せられるのか、ノウハウがわからない。
野宮:やっぱり、自分が好きなことが個性になると思うんです。たとえば、スーさんだったら、エッセイストだから、知的なイメージがあるじゃない?
スー:なるほど。自分の仕事を個性ととらえる。
野宮:アイテムで考えるなら、メガネ。個性的でおしゃれなメガネにすると、スーさんのトレードマークやチャームポイントになるんじゃないかしら。
スー:ロジックなんですね。野宮さんの本も、雰囲気美人になるためのロジカルな方法であって、「毎朝、おひさまにあいさつをして、お水を飲みましょう」みたいな雰囲気の話はしていないのが最高でした。
野宮:そういう人たちって、白湯を飲むんでしょ?
スー:白湯はありがちですねぇ(笑)。
野宮:私、白湯って世の中でいちばん嫌いな飲み物なの。つまらなくない?