1車両に4口!京急「コンセント電車」の全貌 ひょっとして通勤列車の歴史を変えるかも

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コンセントの数を決めた理由は、「電源容量が足りないということではない」という。「さすがにロングシートの全席にコンセントを設置するということは考えていないが、ロングシートの場合、どこにコンセントを設置したらよいかがわからないということもあり、今回はボックスシートへの設置にとどめた」。

ちなみに、西武と京王がコンセントを導入する車両は、ロングシートとクロスシートの両方に転換できる車両だ。西武、京王ともにクロスシートで使用する際にコンセントが利用できる仕組みとなっており、ロングシートの状態では利用できない。なお、西武は2席に1口の割合でコンセントを設置する。京王は「コンセントの設置数については未定」としている。

京急がコンセントを設置するのは、当面は今回の28両のみ。利用者の意見を聞きながら、今後の新造車両や既存車両にもコンセントを設置するかどうか検討していきたいという。

ボックスシートも久々に設置

コンセントだけでなく、今回のマイナーチェンジ車にボックスシートが設置されるのも大きな変更点の一つだ。京急は通勤電車だけでなく、旅行客を運ぶという側面もある。沿線には三浦海岸などの観光地もある。実際、昼間の時間帯は20分間隔でオールクロスシート車両が走っている。

新1000形は2002年から導入が始まった車両で、初期の車両は全体を赤と白に塗り分けたアルミ製車体で登場。これらの車両には車端部にボックスシートがあったが、2007年以降に導入された銀色のステンレス製車両は全てロングシートのみとなっている。今回のマイナーチェンジ車では、旅行気分を味わえるボックスシートを設置したほうがいいという判断となり、久し振りのボックス席復活となった。

とはいえ、ボックスシートを設置した場合、ロングシートと比べて乗車できる利用者の数がどうしても減ってしまい、通勤ラッシュ時に支障が出る。当初は車端部の両側にボックス席を設置する案も検討されたが、結局、片側設置ということで落ち着いた。

京急が導入するコンセント付き車両はどのような反響をもたらすだろうか。ひょっとしたら、通勤列車の歴史を変える存在になるかもしれない。
 

大坂 直樹 東洋経済 記者

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おおさか なおき / Naoki Osaka

1963年函館生まれ埼玉育ち。早稲田大学政治経済学部政治学科卒。生命保険会社の国際部やブリュッセル駐在の後、2000年東洋経済新報社入社。週刊東洋経済副編集長、会社四季報副編集長を経て東洋経済オンライン「鉄道最前線」を立ち上げる。製造業から小売業まで幅広い取材経験を基に現在は鉄道業界の記事を積極的に執筆。JR全線完乗。日本証券アナリスト協会検定会員。国際公認投資アナリスト。東京五輪・パラにボランティア参加。プレスチームの一員として国内外の報道対応に奔走したのは貴重な経験。

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