核実験連発の「北朝鮮」は恐れるに足りない 「追い込む」ためには中国を巻き込むべし

✎ 1〜 ✎ 283 ✎ 284 ✎ 285 ✎ 最新
拡大
縮小
新しいロケットエンジンの発射演習を監督する北朝鮮の金正恩労働党委員長。東倉里ミサイル発射基地で撮影された。KCNAが9月提供(写真: ロイター)

9月に入って北朝鮮は5度目の核実験を行った。今年に入ってから2度目で、観測された震度は同国の核実験としては過去最大の大きさとなった。北朝鮮の愚行に国際社会はどう対応すべきなのか。

北朝鮮の報道は信頼できないが、今回の実験は単なる核実験とは異なり、兵器のテストをうかがわせる内容だった。韓国の当局者が指摘しているように、今年中にさらなる実験を行う可能性もある。

北朝鮮は最近、核実験の強度を上げただけでなく、潜水艦からの発射や多段式ロケットなどの弾道ミサイルのテストも行っている。現在開発中のあらゆる兵器をどこにでも打ち込めるシステムの完成を目指していることに疑いの余地はない。

協議開始を求める声もあるが

国際社会はこうした実験を非難してきたが、これまでのところ、成果は上がっていない。北朝鮮にも国際社会の側にも歩み寄りの姿勢が見られないため、北朝鮮はさらに大胆になっているようだ。

ニューヨーク・タイムズ紙に寄稿したジョエル・S・ウィット氏や、国際連合大量破壊兵器廃棄特別委員会(UNSCOM)の主任査察官を務めたスコット・リッター氏ら一部の専門家は、今こそ同国との協議を開始すべきと主張している。

そうした提案の背景には、協議を始めなければ「多くのものを失ってしまう」との理屈がある。とはいえ北朝鮮は、米国が米韓合同軍事演習の停止などに応じないかぎり、一切の協議に入ろうとはしないはずだ。 

次ページ合同軍事演習の停止には応じるべきではない
関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT