交渉ベタな人は「早期決着」のコツを知らない ストレスから早く離れ、次の利益を生み出せ

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たとえばあなたの会社が婦人用靴メーカーで、これまで取引をしていた納入先A社から突然大幅な値下げを要求されたとします。もしすでに大量の靴を作って倉庫に保管しており、A社に売却できないと他に売却先のアテがないとすると、作った靴がすべて無駄になるかもしれませんし、日々倉庫の保管料がかかってしまいます。

代替案がない場合は、A社の要求を受け入れざるを得なくなってしまいますが、代替案があればどうでしょうか。「A社が買ってくれなくても、少しだけ値を下げればB社が買ってくれる」とか「まだ実際の商品は作っていないので、A社の値引き要求に応じてまでA社と取引しなくても、C社が買う商品を形を変えて作ればいい」ということであれば、A社の言いなりにならずに交渉を進めることができます。

(2)ファーストコンタクトが勝負を分ける

実際の交渉が始まってから合意決着するまでの間で最も大切なのは、相手と初めて話をする場面です。相手に「入念に準備をしてきている」「これは手ごわいな。簡単な相手ではないぞ」「情に訴えかけてもだめだな」「自社の都合だけを通してもだめだな」といった印象を与え、交渉の主導権を握る必要があります。

まずは「聞き役」に徹せよ

かといって、最初からあなたばかりがあれこれ発言を続け、交渉条件を押しつけてはいけません。最初の交渉場面でやるべきことはむしろ逆で、あなたは聞き役に徹して、とにかく相手の話を聞くことに専念すべきです。相手が喜び自分も得する丸くおさめる交渉をするためには、「相手はどうなると喜ぶのか」「何を期待し、何を重視して、どうしてあげると満足なのか」などといった情報を収集する必要があります。

交渉の最初の段階で相手からは、

① 相手にとっての最優先事項(価格か、納期か、性能か)
② 相手の強みと弱み
③ 相手の期限
④ 相手のボトムライン(最低限達成したいこと)
⑤ 相手の代替案

をうまく聞き出せるといいでしょう。

それに「聞くことは最大の譲歩」になります。みずからの事情や利益ばかりを一方的に話すとわがままな印象を与えてしまいますが、じっくりと相手の話を聞いて理解を示せば、今後の関係を続けていくために、お互いが歩み寄るところも探れるはずです。

(3)返事はすぐにする

当たり前のことですが、スピード決着を図るためには、すべき返事はできるだけ早く返すといいでしょう。「そんなことはわかっているよ」と思われるかもしれませんが、それでもどのように返事をしようか迷い悩んでいるうちにいつの間にか日数が経ってしまい、余計に返事をしづらくなってしまったという経験はありませんか。

返事に悩んで時間がかかることを防ぐためには、返事のプロセスを「調査」と「判断」の2つに分けてみることをおすすめします。

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