1ドル100円突破の「Xデー」はいつか ディーラー歴20年の達人が読む為替
今年も米国株、日本株ともに高値圏にあり、下落の警戒感がそろそろ出てきている。ゴールデンウィーク入りで日本勢の流動性は徐々に低下して行き、変動幅が大きな市場になる可能性もある。
今後の材料を整理してみよう。4月26日には日銀金融政策決定会合、4月30~5月1日にはFOMC,、5月2日にはECB理事会、5月4日には米雇用統計と来週にかけてはイベントが目白押しで、相場変動の材料になりそうである。当面、日銀、FRB、ECBともに政策の変更は予想されていない。
100円突破はいつか?
しかし黒田東彦・日銀総裁の発言には今や世界中が注目している。また、ここのところ出口戦略が一部ではささやかれている米国(筆者は今年中に政策を変更する可能性は非常に少ないと思っているが)FOMCの姿勢にも注意が必要だろう。
一方、ECBに関しては先週、欧州で最もタカ派のドイツ連銀のバイトマン総裁が「経済状況が正当化されれば金融緩和の可能性はある」と発言、ユーロ下落の材料になった。欧州の経済状況は悪くECBの利下げがささやかれており、ユーロ下落、ユーロ円での下落(円の上昇)はドル円のドルの上値を抑える可能性もある。
さらに、3月の米雇用統計は予想を裏切るものだったが、4月もその傾向が連続で続くのか、4月分は回復あるいは3月分の改定があるのかが、注目材料だ。今年の世界経済は日米が引っ張らなければならない状況なので、やや減速気味になってきた米国の経済指標には注意が必要だ。もし、米国雇用統計が期待を裏切るものになった場合は、当面のドル売りになるので注意したい。
いずれ100円は突破されるだろうが、それはいつだろうか。オプションバリアーの影響で上値が抑えられる中で、前出のイベントが100円突破のきっかけになる可能性があるので十分注意が必要だ。もし100円が突破された場合は100円がサポートされれば、102~103円付近までの上昇が期待される。102~103円付近はファンド勢などがオプションの構築を行ってきており、再びバリアーが上値を抑えてくる可能性が高い。いずれにしても、100円を突破した場合は、100~103円のレンジとなるだろう。
また、100円の上方ブレークしに失敗した場合は、97円台前半がサポートになり97~100円の高値圏のレンジになろう。もし、97円台前半を下抜けすると95円台前半まで下落するリスクがある。その場合は95~100円の高値圏でのレンジ相場が予想される。
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