「理不尽に攻撃する上司」を賢くかわす護身術 「正論」も「謝罪」も通じない…

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また、理不尽な指示を出されたときは、「そうはいってもですね」などと反論せず、「この部分をもう少し説明していただけませんか」「この資料をいただければ検討できます」などと、明確な説明を求めたり、具体的なサポートを得られるように働きかけることも大切です。

威圧感に委縮してしまうこともあると思いますが、まずは静かに息を深く吸って気持ちを落ち着けて対処しましょう。

相手にぎりぎり聞こえる「つぶやき」で褒める

最後に、「褒める」を使いましょう。攻撃性の強い人は、内心にある不安やコンプレックスを過剰防衛するがあまりに、相手を徹底的に叩く傾向が強くなる場合が多いのです。要するに自分に自信がないとも言えます。ですから「褒める」は攻撃的な人が最も欲している「承認」になります。

あからさまに褒めちぎれば、場合によっては「馬鹿にしてるのか」と逆効果になることもあるので、慎重に使うことが望ましいですが、効果的であることに間違いありません。

面と向かって言える場面があればよいですが、アドバイスを受けた後などに、相手に聞こえるようなつぶやきで「鋭いなぁ」とか「さすがだな」とか「勉強になる」と発するのも、場の空気を換えるのによい方法です。

また、間接承認と言って「○○部長が、この前、主任のことを褒めてました」などのように、ほかの人が承認していた話を振るのも有効です。

残念ながら、相手の性格や傾向を変えることはできません。ですから、対処方法を模索していくことが、身を処すためには必要です。自分に全面的に非があるような気がして追いつめられる前に、身近な人に相談することも大切です。身動きが取れなくなるほどの状況になる前に、我慢せず、早めの対策を講じてください。

大野 萌子 日本メンタルアップ支援機構 代表理事

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おおの もえこ / Moeko Ohno

法政大学卒。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ資格認定機関)代表理事、産業カウンセラー、2級キャリアコンサルティング技能士。企業内健康管理室カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメントなどの分野を得意とする。現在は防衛省、文部科学省などの官公庁をはじめ、大手企業、大学、医療機関などで年間120件以上の講演・研修を行い、机上の空論ではない「生きたメンタルヘルス対策」を提供している。著書に『よけいなひと言を好かれるセリフに変える言いかえ図鑑』(サンマーク出版)がある。

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