関西電力、値上げ認可でも大幅赤字か 原発再稼働次第で“再値上げ"申請も

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たとえば、原価算定の14年3月期からの3年間に改定される液化天然ガス(LNG)の購入価格について、最初の2年間は一般電気事業者で最も安い価格(トップランナー価格)、3年目は米国からのシェールガス輸入開始を見込み、天然ガス価格リンクを一部反映した価格を織り込むなどしている。

3期連続赤字避けるため、“再値上げ”も

最大の不確定要因は、原価算定の前提として、7月と織り込んだ高浜原発の3、4号機の再稼働の見通しが立っていないこと。

3月26日に開かれた関西電力の定例会見で、八木誠社長(写真、右から2人目)は「(7月からの再稼働は)現実的には厳しい」と認めた。高浜原発が稼働しない場合、代替の火力燃料費などで、年間1400億円のコスト増となる。

関電は3月に決算期末を迎えた前2012年度について、連結純損失2650億円と過去最大の赤字に陥るとの見通しを公表している。同じ会見で八木社長は「3期連続の赤字は何とか回避したい」と語っており、原発の再稼働状況や効率化の進展次第では、再値上げの申請が現実味を帯びる。

だが、その場合でも、効率化などへの経営姿勢をさらに厳しく問われるのは必至。黒字化への道のりは険しく、13年度も大幅赤字が続く可能性が残る。

水落 隆博 東洋経済 記者

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みずおち たかひろ / Takahiro Mizuochi

地銀、ノンバンク、リース業界などを担当

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