日立製ロボ「アラウンダー」、福島原発を洗う ゾウ鼻似のノズルから高圧水
東日本大震災とそれに続く東京電力福島第一原発事故から丸2年。放射能で人間が作業できない原発向けに、重電大手や研究機関などが相次ぎ「ロボット」を開発・投入する中、新たに除染用のロボットが登場した。
福島原発1、3号機の除染に投入
日立製作所は3月8日、遠隔除染装置「Arounder(アラウンダー)」を臨海工場(茨城県日立市大みか町)で公開した(写真)。子会社の日立GEニュークリア・エナジーが開発したもので、福島第一原子力発電所の1号機と3号機の除染作業で使用される予定。
アラウンダーは、資源・エネルギー庁の「建屋内の遠隔除染技術の開発」プロジェクトの一環として開発された。高圧水を用いて除染作業を行うのが特徴だ。
ちなみに、東芝はドライアイスを用いて除染する遠隔操作ロボットを2月に公開済み。同プロジェクトには三菱重工なども参画している。
「ゾウの鼻」から高圧水、コンクリートも削る
日立のアラウンダーは、あたかもゾウが長い鼻の先から水を吹き出すように、ノズルヘッドから水を噴射するシンプル構造。にもかかわらず、汚染度によって水圧を25~200MPaと自在に調整することが可能。
最大水圧になると、コンクリート表面を1センチメートル削ることができるほど強力だ。除染ヘッドは最高2メートルまで伸び、壁面に押しつけた作業にも対応している。
水を用いる上で工夫を凝らしたのは、確実な除染だ。ヘッド部から高圧水が噴射されると同時に、ヘッド周りに取り付けられたブラシ部が水を漏らさず回収する。除染作業後の床や壁は湿った状態をキープし、汚染水が散らばって水浸しになるようなことはない。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら