SKE48、ハロプロ迎え撃ちに「死角」はないか オーディションで研究生を次々補充する背景

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2008年の1期生オーディション時の松井珠理奈(当時小6)。今年の「総選挙」3位で、AKB48グループ全体の中でも際立った存在©AKS

とはいえ、今のSKE48には課題もある。公演チケットの抽選倍率が高く(平均して10~20倍前後と言われる)、また転売防止のために事前に個人情報の詳細な登録が必要であるなど、ライトなファンが簡単に見られるような仕組みがないことだ。

SKE48は昨年あたりから名古屋や東海地区での活動を増やすなど「地元回帰」の方針を強め、松井珠理奈本人も「地元の人にもっとSKE48を知ってもらいたい」(詳細は「週刊東洋経済臨時増刊 飛躍する名古屋」)という意志を鮮明にしているが、今はいちばんのウリである「元気いっぱいの全力ダンス」を地元民が気軽に劇場で見て体感できない状態にある。

全国、海外は地元で圧倒的人気を誇ってこそ

この点について、湯浅支配人に問うてみた。

――SKE48の劇場を見たいと思っても、応募システムの複雑さから諦める人が多いが、対策などは考えないのか。
観るためのハードルが高いことは認識している。メンバーも地元の方に見てもらいたいという気持ちは非常に強い。なので、まだ一度も劇場を見ていない人が最初の1回に限っては簡単な手続きで見られるようにできないか検討しているところ。
またSKE48の劇場は名古屋のガイドブックにも載せていただいている。名古屋に観光で来た人が帰りがけにでも申し込めるようにしたい。こういった試みをまずは月に1回くらいでもやって、それを徐々に移行しいければと。もちろんSKE48を長く愛してくださっているコアなファンとのバランスをうまく取りながらだが。
――ほかに取り組みたい課題などは。
やはり地元であふれんばかりの圧倒的な人気を誇ってこそ、全国へ海外へと次の展開していける。松井珠理奈はAKB48グループでもいちばんファンのユニーク数(重複しない頭数)が多いくらい広く知られている子だが、珠理奈の次に続くメンバーの育成が遅れている。
よくも悪くも「珠理奈ありき」だったSKE48をもっと認知してもらうために、SKE48の顔になってくれるようなメンバーを育てていきたい。新しく入ってくる8期生だけでなく現在いるメンバーにも期待している。

 

地方アイドルグループ成功の先駆けとなったSKE48。その名前はかなり知られているが普段の活動実態やメンバーの顔は地元を含め、一般にはまだまだ浸透していない。これからの展開を見守りたい。

竹内 一晴 ジャーナリスト

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たけうち かずはる / Kazuharu Takeuchi

1970年名古屋市生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒。大手芸能事務所、CS演劇専門放送局プロデューサー、写真週刊誌専属記者等を経て2004年からフリー。報道・表現の自由、大学自治、韓国社会事情、カラオケ、アイドル等の記事を執筆。田島泰彦編『個人情報保護法と人権―プライバシーと表現の自由をどう守るか』に論稿掲載。48グループの推しメンは松井珠理奈(SKE48)、注目株は山田菜々美(AKB48・Team8)だが、全メンバーを公平に見ることをモットーとする。

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