SKE48、ハロプロ迎え撃ちに「死角」はないか オーディションで研究生を次々補充する背景

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SKE48劇場支配人の湯浅洋氏。ファンの要望によく耳を傾け、親しまれる存在(筆者撮影)

SKE48劇場のスタッフによればSKE48は年毎の変動はあるものの、だいたい「年間300回前後の公演数、今年は9月9日で244回を数える」という。運営会社側は明かさないが、券売、場内整理、演出スタッフ、マネージャー、衣装、メイク、警備員等で10人以上のスタッフが、基本的には平日夜1回、土日祝日2回の公演のために稼働していると推測される。

名古屋で芸能事務所の運営に携わるA氏は「あの劇場の運営はとてもじゃないが地方の中小企業ではできない。あの人件費を賄うには相当な資本力が必要で、うちではとてもできない」とため息混じり。

その一方で、ハロプロ定期公演に、A氏は厳しい見方を示す。「アイドルファンは毎日ではないにしろ、(名古屋を地盤とする)SKE48のように同じグループが出演することを期待したようだ。地元出身者などを集めて名古屋に根付いた活動をするグループができると思ったら、そうではなかったのでがっかりしたよう。一時期ワッと盛り上がったが沈静化してしまった」

恒例の「研究生正規メンバー昇格」が見送られた意味

美浜海遊祭で迫力あるダンスを見せたSKE48研究生。ひよっこながらも、パフォーマンスレベルの高さに定評がある(筆者撮影)

「48グループの中でも劇場公演を大切にし、もっとも真摯に取り組んでいるのはSKE48だ」。こう断言するのは、外部との仕事のブッキング等で48グループと関係が深く、劇場公演やコンサートを観覧することも多いB氏。

彼は「AKB48 45thシングル選抜総選挙」時のコンサートで全グループ研究生が競演した「君のことが好きだから」という曲のパフォーマンスでSKE48の研究生が他のAKB48、NMB48比べ、「一生懸命さ、元気のよさ、ダンスの迫力」で際立っていたという。

が、8月開催の美浜海遊祭(主催は地元の東海テレビ)のコンサートで、近年は恒例となっている研究生の正規メンバー昇格発表が、今年はなかった。不審に思ったファンやメディア関係者は少なくなかったが、B氏は「運営側から見るとフリ覚えなど細かい点でまだまだ至らない部分があるので見送られたらしい」と語る。劇場公演のレベル維持のために徹底してこだわる姿勢がうかがえる。

「今、姉妹グループを見わたしても、SKE48のように研究生だけで構成する研究生公演(野球のファームのように正規メンバーになる前に研鑽を積む場)をできているところはない。SKE48の8期生オーディションの狙いも、同い年くらいの年少の子たちが切磋琢磨し合える研究生公演を維持して、他にない特色としていきたいからではないか」(B氏)

地道な活動は人気の安定にも確実につながっている。全国8店舗でアイドル等の中古グッズを販売する「でらなんなん」の名古屋本店店長は「SKE48関連のグッズは、乃木坂46や欅坂46の人気が上昇しても、名古屋市内2店舗の売り上げで全体の3割程度を占め、ずっと落ちない」と話す。「SKE48さんは劇場があるので、見に来たお客さんがうちの店にも寄って、グッズを買っていくことがかなり売り上げにつながっている」(同氏)。

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