「プリウスPHV」最新進化は一体何がスゴいか トヨタの次世代を担うエコカーを早速解剖

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熱可塑性樹脂を使って、RTM方式で製造される。従来のプリプレグやオートクレーブなどの製法と比べて、生産性や品質などの面で自動車部品に向いているとされる

もうひとつ、室内におけるHVとの違いが乗員数だ。HVが前2人+後3人の計5人乗りなのに対して、PHVでは後席2名乗車の計4人乗りとなっている。後席が2人乗りとなった最大の要因は、走行距離を駆動用バッテリーの増強だ。

8.8kWhまで増強したため、荷室下に最適配置をしたものの、荷室フロアを77mm上げざるを得なくなり、後席が2人乗りになった。ただし、トヨタでは後席3人がけのベース車の後席より、左右独立の後席2人乗りのプリウスPHVのほうが、より高級感の演出につながるとしている。実際、座ってみると、5人乗れる方が便利だなあ、と思う反面、4人乗りのほうがゆったりと座れる。

その乗り味をサーキットで試してみた

じっくり観察したあと、ようやくDレンジに入れて走りだす。プリプロダクション・モデルゆえに、千葉県の「袖ヶ浦フォレストレースウェイ」なるサーキットでの試乗となった。

とはいえ、かっ飛ばして云々するクルマでもないと思ったので、Dレンジに入れて、EVモードを選んで、ノーマルの走行モードのままで第一コーナーに侵入してみた。コーナーの出口でアクセルペダルを踏み込んだとたん、加速の立ち上がりの鋭さにはっとさせられた。HVのプリウスと比べて、圧倒的に加速がいいのだ。

タイヤは、15インチが標準装備されるが、オプションで大径タイヤ&ホイールも選べる。最新の低転がり抵抗タイヤを履く

これが、デュアル・モーター・ドライブ・システムの効果か、とあらためて感心した。いくら前後の重量配分がHVより良くなっているとはいえ、それは重たいバッテリーをリアに搭載したからであって、HVモデル比で約150kgも重量が増しており、それが走りに与える影響は大きいだろうとタカをくくっていた。

しかし実際には、なかなかスポーティな走りっぷりを披露したのだ。ワンウェイクラッチを組み込むことで、通常は発電機として使っている2つめのモーターをロックして、駆動用モーターの出力に、発電用モーターの出力をアドオンできるのだ。

こうなってくると、俄然、走りに興味が湧いてきた。シフトヘッドの横に並ぶボタンのうち、「ドライブ・モード」では、ノーマル、パワー、エコドライブの3つのモードから好みの走りを選べる。その隣は、EV/HVの切り替えボタンだ。

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