「プリウスPHV」最新進化は一体何がスゴいか トヨタの次世代を担うエコカーを早速解剖

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世界初のアイテムとして、量産車では初のソーラー充電システムを採用した。停車中は駆動用バッテリーに充電し、走行中は12V補機バッテリーに供給する。最大6.1km、平均2.9kmの充電がソーラーで可能

ちょっと詳しい人なら「そんなの旧型プリウスのオプションにもあったよ!」と指摘するかもしれない。

(3代目プリウスは世界初のアイテムとして、量産車では初のソーラー充電システムを採用した。停車中は駆動用バッテリーに充電し、走行中は12V補機バッテリーに供給する。最大6.1km、平均2.9kmの充電がソーラーで可能)

だが、あのときは、発電量がわずかで換気などに使える程度だったが、今回は最大180Wも発電する上に、効率の高い充電システムを採用することにより、駆動用バッテリーにも充電できるようになったのだ。

さすがに太陽さえ照っていれば、無給油でOKとはいかないが、例えば、平日はクルマに乗らないサンデードライバーであれば、週末に近所にショッピングに行くくらいは太陽光発電でまかなえる可能性もある。

パワートレインも、HVとPHVでは大きな違いがある。ベース車のハイブリッド機構では回生と駆動にそれぞれ別の電気モーターを使っているが、PHVでは駆動用モーターはもちろん、必要に応じて、回生用モーターもクルマを走らせるために使える。簡単に言ってしまえば、折角、EV走行できる距離が伸びたのだから、もっとパワフルに走らせたいときには、エンジンをかけるのではなく、もう一個の電気モーターにアシストしてもらって、EV走行でもっとパワフルに走ろう、という考え方だ。

11.6インチの大型モニターを搭載

技術的に見れば、プリウスPHVには、トヨタの次世代を担う2つのクルマの要素が引用されている。ご察しの通り、大型グリルとLEDの3連ヘッドランプで形成されるフロントビューは、プリウスPHVと同時期に開発を進めていた「ミライ」からの引用だ。

モニターは11.6インチと大型だ

また、ユニークなリアビューを形成する要素となるカーボン複合材のリアハッチゲートは、「LF-A」に採用したCFRPの要素技術を活かして制作したものだ。これにより、HV車比で40%もの軽量化に成功した。EVやPHVでは、軽量化はそのまま巡航距離の延長につながるので、今後、ますます重要になる技術だ。

室内に乗り込むと、11.6インチの大型モニターが目を引く。大きさそのものは、テスラ「モデルS」に搭載されている17インチのそれにはかなわないが、プリウスPHVの室内空間では、この大きさでもかなりの存在感がある。シート地も凝った素材が使われており、リアハッチゲートをあけると、カーボン複合材にまでシボが入っているという念の入れようだ。

なによりも、シガーソケットの隣にUSB充電口が標準で備わったのが朗報だ。もちろん、ベースのプリウスでもワイヤレス給電のオプションは設定されていたし、オーディオを装着すればUSB電源が備わっていたが、それらのオプション設定を選ばなければ、USBの充電口が備わっていなかった。スマホをカーナビ代わりに使う人も少なくない今の時代、クルマでスマホを充電するのは必須だろう。

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